田原可南子は楽しくまじめに取り組む
「仕事のことは私から話さないと何も話してくれません。自分で大事なことだなと思っていて、たとえば10、話しかけても、1も返ってこないぐらい。この世界に入ることになったことを伝えたときも特に感想もなく。感謝といえば大学までいかせてくれたってことぐらいでしょうか(苦笑)。以前、父の日ワイントの取材の時に、ぴったりのイメージのワインありましたよね。ちょっと怖くて、分かりあえるのに時間がかかりそうだっていう。ほんと、そのとおりのイメージです」
可南子さんは2011年にアイドルとして活動を始めている。大スターの子どもではあっても、あるいは大スターの子どもであるゆえに、緊張して自分を見失ったり、窮屈な思いをしたりしながら仕事に向き合ってきた。そして、「なんとかなる」という見込みの甘さによる失敗から、真面目すぎて失敗という段階を踏んで、今、ようやく、楽しくまじめに取り組むフェーズに入れたと可南子さんは言う。
「一周回ってようやく、自分らしく楽しくいなければいけないし、なにをしっかり真面目にやらなければいけないのかがわかってきたのではないかと思います」
そのきっかけのひとつは、旅。
「髪を金色にしてニューヨークに旅した時に、『いい感じだね!』と好意的に言われたんです。日本では驚きの目で見られることが多かったのに、ポジティブに見てもらえたことがうれしかったです」
ニューヨークや香港、古いものと新しいもの、多種多様なカルチャーが入り混じる場所が好き。ネットやガイドブックで用意周到に旅の準備をするのではなく、目星をつけたエリアを気ままに歩く。そこで自分の感覚にあう洋服屋やコスメショップと出会い、その土地ならではのうまい料理屋での時間を楽しむ。それが可南子さんの旅のスタイル。
「周りの人からどう見られるのかを気にしすぎてしまっているんだと思います。それがニューヨークや香港を旅していると、ありのままでいられる自分がいる。人生を楽しむなら、来るもの拒まずの気持ちで、仕事も怖がらずになんでも挑戦してみたいという気持ちになっています!」
楽しんで悩んでまた楽しんで。自分らしい仕事と出会い、そして世界を広げていく。
「ワインも同じ。これからもあたらしい世界には緊張しながらも楽しんで、いろいろなワインと出合ってみたいです!!」
田原可南子 Kanako Tawara
1994年、東京生まれ。父は歌手の田原俊彦、母は元「CanCam」モデルの向井田彩子。大学卒業とともに芸能活動を本格化。「WINE-WHAT!?」では「田原可南子のワイン初体験」連載を「WINE-WHAT!?」2018年5月号(No.22)からスタート。7月よりドラマ「ヒモメン」に出演中。今後の活躍がますます期待される。