片足27パーツのハンドメイド ラバーブーツ
1993年にデンマーク人女性デザイナー イルセ・ヤコブセン (ILSE JACOBSEN)が設立し、いまや世界25カ国、1,500店舗で展開するブランド「イルセ ヤコブセン・ホーンバック」。WINE-WHAT!?は、イルセ・ヤコブセンさん本人にインタビューし、彼女の素顔に迫った。
WINE-WHAT!?
「イルセ ヤコブセン・ホーンバック」といえば、やはりラバーブーツのブランド、というイメージが強いとおもいます。ブランドも、まずはブーツ・靴からスタートしたんですよね? いったい、どうしてラバーブーツのブランドを立ち上げたのですか?
イルセ・ヤコブセン
わたしがまさにそうであるように、水のそばでくらしているひとにとって、防水のフットウェアは必需品。でもデザインもルックも、ちっとも気が利いていないPVC(ポリ塩化ビニル)のレインブーツにはうんざりだったの。
それで、スタイリッシュで、機能的で、履き心地もいい、街でも郊外でもつかえるアウトドア用のブーツをつくりたいとおもったの。
WINE-WHAT!?
現在、日本ではレインコートも販売されている「イルセ ヤコブセン・ホーンバック」ブランドは、すっきりとしたラインと印象的な色づかいで、ブーツとコートが、統一された世界観を演出していると感じます――
イルセ・ヤコブセン
そう。世界がカラフルだったらステキでしょう。雨の日だからってどうしてグレーにならないといけないの? わたしのレインブーツ、わたしのレインジャケットは色とりどり。ハンドメイドのレインブーツは100種類以上あるの。そのすべてがおなじデザインの発想からうみだされている。そして、いまや、ハンドメイドレインブーツはスカンジナビアのデザインアイコン。フロントがレースアップになっているクラシックなレインブーツを世界中のセレブリティが履いているし、あらゆる年代の女性から愛されているわ。
起業家 イルセ・ヤコブセン
WINE-WHAT!?
いっぽう、グローバルの公式サイトを拝見すると、シューズ、ウェアのみならず、フラワーショップ、スパ、化粧品を展開されていて、ブランドもひとつだけではない。ライフスタイルの提案をおこなっているように感じます。いったいどういう経緯で、このような展開をされたのでしょう? すでに 、ブランドがうまれたときから、考えていた未来なのですか?
イルセ・ヤコブセン
「イルセ ヤコブセン・ホーンバック」をフットウェアのコレクションで立ち上げたのが1993年。そこから会社はどんどん大きくなったわ。いまはブランドの象徴であるレインブーツのほかにも、レインウェア、洋服、アクセサリーがある――でもね、私は、自分が、本質的に企業家(entrepreneur)なんだとおもうわ。
いつもあたらしいアイデアがわいてくるのよ。あたらしいことをはじめるの好き。そしてやりはじめたら情熱をもって、決然と働く。ずっとこのやりかたよ。この23年間、ビジネスをつづけてきた基礎には、度胸、確信、クリエイティビティ、情熱がある。
わたしはブランドを生み出し、大きな利益がうまれ、世界25カ国に展開している。
たくさんのアイデアがあって、情熱もあるから、わたしの会社はライフスタイルの会社になったんだとおもうわ。いまではBLOMSTEN by ILSE JACOBSENというフラワーショップが4店舗、スパ、化粧品、そして故郷のホーンバックにつくったラグジュリアスなスパもある。
それから、デンマーク版『マネーの虎』で、じつはわたしは「虎」なの。8つの新規の会社に出資したわ。ほかにもDanish Growth Fundのメンバーとして、起業をサポートをしているし、自分の会社だけでなく、起業家精神をもって仕事をしているということね。
料理をしてリラックス
WINE-WHAT!?
WINE WHAT Onlineは「ワインと食のライフスタイルマガジン」です。レストランも経営されているイルセさんは食にたいして、あるいは、農業で生み出されたものを料理・醸造して、食べるという行為を、どうお考えになっていますか?
イルセ・ヤコブセン
食べ物は大好きよ。スパ「KURBADET by ILSE JACOBSEN」をデンマークにオープンしたとき、そこにはレストランもあって当然、とわたしはおもっていた。専属のシェフのチームがいて、日々、目をくばってくれる、というのはどこのレストランでもおなじことだけれど、わたしもかなり、このチームにかかわっているの。健康をかんがえ、新鮮な旬の素材をつかった北欧スタイルのスペシャルな食事をサーブしているわ。
料理も個人的に大好きで、というよりも、リラックスしたいときには料理をするの。週末、時間があれば、朝からキッチンにこもって、夕飯をたべるまで、一日中キッチンにいてね。料理をしていると食べ物のことだけを考えるから、ほかのことはわすれていられるのよ。