高級チリワインの先駆者 ドン・メルチョー。2019年にコンチャ・イ・トロから独立した、ドン・メルチョー 成功の秘密を、最高のステーキを食べながら紐解こうではないか!
南米の至宝 ドン・メルチョーと北米のご馳走 プライムステーキ
成功者にあやかれ! 4つのオンリーワンで成功の味を解き明かす
前人未到の荒野を目指せ!
チリ最大のワイナリー、コンチャ・イ・トロ社を立ち上げたのはドン・メルチョーという男。1883年、ボルドーのブドウ樹をチリへ運び、チリワイン興隆の礎を築いた。現在、彼の名は世界中で知られている。チリワインの祖として、同時に超高級チリワインの名として。
1987年の初ヴィンテージがリリースされて以来、創立者の名を冠したこのワインは「チリ産=すべてお手頃価格」の概念をぶち破り、コンチャ・イ・トロ社のフラッグシップワインとして同社の魂を奮い立たせる役割を担った。しかし意外なことに2019年、ドン・メルチョーのブランドはコンチャ・イ・トロ社から離れ、新たな1ワイナリーに。いわば、長男の独立である。
とかく人は一度の成功に執着しがち。ただし、成功を重ねる人は執着の功罪を知り、革新を厭わない。思えば新大陸では、前人未踏の荒地で大胆な新規事業に取り組み続ける者だけが栄華を手に入れてきた。つまり他社の高級チリワインがドン・メルチョーを追い次々台頭するなか、ドン・メルチョーの独立は将来に渡りナンバーワンの座を守り、揺るぎないアイデンティティを得るための革新的手段なのか、と合点がいく。
新大陸では、大規模な牧場経営もメジャーな成功例。もしドン・メルチョーと新大陸産ビーフステーキというペアリングを堪能できたら、それは先人からの成功のお裾分けだ。成功は、絶対美味に決まってる!
ドン・メルチョー 成功の理由1 歴史が長い
ドン・メルチョー氏によるコンチャ・イ・トロ社創業は1883 年。数あるブドウ品種のなかからボルドー系品種をフランスから持ち込んで植樹する先見の明により、ワインの品質の高さもあいまってワイナリー事業は爆発的に拡大。1933 年にはいち早くヨーロッパへの輸出を開始した。そして1970 年代からは世界トップレベルのワインをチリから送り出すべく、醸造技術の革新と土壌成分の検証に力を入れていくのである。
ドン・メルチョー 成功の理由2 恵まれた産地に甘えない
コンチャ・イ・トロの所有畑はチリ全土に遍く点在し、総面積は10,000 ヘクタール超。ドン・メルチョーのプロジェクトがスタートした際は幾多の産地を精査し、最終的に「チリのグラ ン・クリュ」と呼び名も高いプエンテ・アルト地区の7区画、127ヘクタールがドン・メルチョー専用となった。良質なカベルネ・ソーヴィニヨンを産出する7区画はそれぞれ土壌成分が異なるが、さらに151 の小区画に分類。ミクロクリマの考えをもとに、栽培から醸造まで小区画ごとに行っている。
ドン・メルチョー 成功の理由3 開拓者精神を持ち続ける
海外の著名なワイン評論家や専門誌での評価は常に高く、毎年選出される「年間TOP100」といった企画でも常連選手であるドン・メルチョー。豪華客船クイーンエリザベス2世号をふくめ、数多の一流レストランがオンリストしている。
肉質の良さに定評のあるステーキ専門店、ウルフギャング・ステーキハウスでもニューヨーク・タイムズスクエア店でドン・メルチョーの取り扱いアリ。
そこで、本場アメリカ大陸のペアリングを日本で再現するべく、ウルフギャング・ステーキハウス六本木店へ。店舗で扱うワインのセレクトを統括しているマネージャーであり、ソムリエでもある岡戸希一郎さんに、ドン・メルチョーの評価と合わせたいステーキの提案をお願いした。
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