半導体業界スタンダードのワイン造り
だから、というべきだろう、半導体の会社としてのノウハウをワイン造りに持ち込んだ。品質管理、衛生管理、作業管理、そういったものは半導体事業においてのノウハウを活かし、ワイン用にアレンジして用いている。精密機器を酸化からまもる窒素のタンクは、ワインを酸化から守るためにつかわれているし、クリーンルームもワイン造り用に小改造をほどこして利用している。また、タンクの温度管理や制御装置、畑の虫除けシャッターや定点カメラ、気象観測の機器などは、あらたに開発した。いつ、どこで、なにがおこって、なにをしたかのデータが、細かく蓄積されている。
ワイン造り専門のスタッフはあらたに配置した。キーとなるのは、醸造責任者をつとめる袖山政一さん。ながらく、山梨県、いや、勝沼でワインを造りつづけたこの名人のMGVsワイナリーへの参画は、業界に驚きをもって受け止められた。そして勝沼でのブドウづくりのスペシャリスト、栽培ディレクターの前田健さん。栽培している品種は、甲州とマスカット・ベーリーA。人もブドウも、その土地のスペシャルなのだ。