「初めてペアリング」にもチャレンジを!
「初めてワイン」にチャレンジするならば、いっそのこと食の秋なので、それをさらに盛り上げる今の時代感にマッチしたワインペアリングにもチャレンジできたら面白いと思いませんか?
「初めてのペアリング」と言ってもワイン業界の方々が長年にわたり蓄積していたマリアージュの基本を無視して無謀なチャレンジをしてみようというのではなく、ホスト役とパーティの食材やお料理の情報をシェアし、それに合うワインを今までにしていない組み合わせを自分なりの意図(料理の密度感とワインの凝縮感をマッチさせるとか、料理のテクスチャーとワインの滑らかさをマッチさせるとか)を持ってチャレンジする。
最近、料理の傾向も以前ほど、どっしりしたものでなくなり、軽やかなものが多くなっています。そんな時こそ、腰高で軽やか、酸もしっかりあって、フィネスもちゃんとあるような、比較的アルコール度数をおさえた最近のつくりのワインがピッタリ合ってきます。そうすると、オーセンティックなワインだけではない、面白いチョイスが可能になります。
こうしたペアリングのヒントは自然派を多く扱うワインバーやレストランの研究熱心なソムリエさんたちが出してくれています。今年の夏に、僕に新世代のワインを強烈にアピールしてくれたのが西麻布の新進気鋭のクリエイティブなイタリアンレストラン&バー、SACCAPAUのシェフソムリエ、梁さん。
NYで10年、名店ブーレイ他で仕事し、東京に戻ってからは、和食や中華の名店でシェフソムリエとしてジャンルにとらわれないワインを扱ってきたからこそのチョイスをプレゼンテーションはまさに時代をとらえています。
料理、ワイン、インテリア、そして流れる音楽がある一点できれいに焦点が合っていて、コンテンポラリーでアバンギャルドな魅力に満ちています。東京に全くなかったタイプの店であることは間違いないでしょう。
ワインラバーの皆様、一度はカウンターに座ってそのワールドを味わって見たらいかがですか? きっと、あなたのパーティワインチョイスの幅もあっという間に広がること間違いなしです。
(WINE-WHAT!? 2016年11月号 No.13より)
西麻布の交差点近く、隠れ家的に佇むイタリアン「s`accapau(サッカパウ)」。オープンキッチンでのライヴ感、ワインはペアリングで梁ソムリエにチョイスしてもらうのがいい。