酸化ストレスとダイナマイトとバイアグラ

スパリブの考察 第22回 フランス科学アカデミー会員 C・アマトーレ博士登場

アルコールの代謝を促進するサプリ「スパリブ」の開発者でワイン愛好家の犬房春彦博士がホストになって、各界からゲストに迎え、ワインと健康について語り合うシリーズ。
今回はフランスから来日したクリスチャン・アマトーレ博士の登場です。その業績に対してレジオンドヌール勲章を受賞している、電気化学的手法による酸化ストレス研究の大家で、フランス科学アカデミーの研究責任者(Director of Research)、学士院会員です。
ジャック・シラク元大統領の科学顧問も務められた、現代フランスを代表する科学者と、犬房先生に酸化ストレス研究の今昔をわかりやすく語っていただきました。

クリスチャン・アマトーレ博士(Dr. Christian Amatore)

フランス科学アカデミー(学士院会員)

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犬房春彦博士 

岐阜大学 ライフサイエンスリサーチセンター 抗酸化研究部門 特任教授

ダメな航空会社のおかげで出会えた

ーー アマトーレ博士は今回、「日本抗加齢学会」でのセミナーを犬房先生と開かれるために来日されたそうですが、犬房先生とは酸化ストレス研究を通じての友人なのですか?

アマトーレ いえ、知り合ったのは本当に偶然です。5年前、私は日本行きの飛行機に乗るためにシャルル・ドゴール空港のゲートで待っていたのです。そうしたら「皆様このフライトは30分遅れます」というアナウンスがありましてね。実はこの航空会社はパイロットが遅刻することで有名でして、私の前に並んでいた方に「またですね。なぜ遅れるかご存じですか? パイロットがまだ来ていないのですよ」と話しかけたのです。

犬房 それから続けて、「けしからん航空会社ですよね。ところで、私は日本が大好きで、今回で25回目の訪日になります。酸化ストレスの研究をしているんですよ」とおっしゃった。本当に驚きました。「えっ? 酸化ストレス研究ですか? 実は私も」と話し始めたのがきっかけで仲よくなりました。それ以来、酸化ストレス研究のご指導をいただいています。当時、私は酸化ストレス研究を始めてから2年ほどだったので、たいへんありがたかったです。

アマトーレ この時ばかりはダメな航空会社の飛行機が遅れたおかげで犬房先生に出会えたので感謝しなくてはいけませんね(笑)。

犬房 そうですね。エジソンの名言「99%の努力と1%の運」の正反対の「99%の運と1%の努力」で今まで研究を続けてこられたと思っています。アマトーレ先生と知り合ったり、ほかにも多くの偶然が重なって研究成果が出ていることから、与えられた運は酸化ストレス研究をしっかりやりなさいということなんだと、自分に言い聞かせています。

ーー アマトーレ先生の酸化ストレス研究について教えてください。

アマトーレ 私が研究を始めた1970年代はまだ、フランスでも酸化ストレス研究は盛んではありませんでした。しかし私が開発した電気生理学的な手法で酸化ストレスを測定できる「マイクロプローベ」という測定機器によって、細胞から出る酸化ストレスが測定できるようになりました。これを機に研究が進んできたともいえます。

Dr. Christian Amatore

酸化ストレスはヒトの体を守るために使われていますが、多すぎるといろいろな障害を起こしてしまう。たとえば、がん細胞は多くの酸化ストレスを出すことでヒトの免疫にダメージを与えますし、エイズウイルスが感染した白血球も大量の酸化ストレスを生産することで白血球の機能が失われてしまいます。そして、その酸化ストレスで合併症も起こしてしまうのです。エイズ・ウィルスの研究はノーベル賞を受賞したモンタニエ博士との共同研究です。

犬房  以前、アマトーレ先生の研究室を見学させていただいてからランチをご一緒したことがありますが、研究のお話をテーブルの白い紙いっぱいに化学式を書き出して説明してくださったこともありました。ちなみに今でも大切にとってあります。

ニトロはなぜ狭心症に効果があるのか

ーー おふたりとも、研究が本当にお好きなのですね。アマトーレさん、ワインはお好きですか?

アマトーレ もちろんです。もっとも自宅ではあまり飲みません。外で多くの方と会話を楽しんだり、コミュニケーションをとるにはワインはよいですね。ご存じとは思いますが、特に赤ワインはポリフェノールが多いので酸化ストレスも下げてくれます。欧州ではキリスト教の影響もあり、伝統的にワインを飲みます。そして、オリーブオイルを多用する地中海食が健康によいともいわれていますが、私もそう思います。イギリスではビールを沢山飲むようですが、日本の皆様にはやはりワインを勧めます。

ーー ワインはやはり健康によいのですね。

アマトーレ おもしろい話をしましょう。ダイナマイトとバイアグラについてです。

ーー ダイナマイトとバイアグラ!?

アマトーレ アルフレッド・ノーベルがダイナマイトの原料のニトログリセリンの安定化に成功してから、ニトロは狭心症患者に使われるようになりました。

ーー 映画とかで見たことがあります。発作が起きると、胸を押さえて「ウッ、ニトロをくれ」って、なめると治るんですよね?

アマトーレ そうです。しかし、なぜニトロが狭心症に効果があるのかわかるまで、ノーベルの発明から100年もかかりました。米国の内科医フレッド・ムラド博士はニトロがなぜ狭心症に効果があるのか、ほかの物質も含めて研究しました。そして、ニトロが心臓の血管壁から酸化ストレス物質を放出させることで、血管を広げることを突き止めたのです。さらにムラド博士は同じく酸化ストレスを血管壁から放出させる「ホスホジエステラーゼⅢ」という酵素の阻害剤を見つけて狭心症治療に使おうとしたのですが、男性の下半身への効果の方が強かったので、製薬会社が「バイアグラ」と名づけて販売をはじめたのです。ほかの男性機能改善薬も、すべて酸化ストレス物質を血管から放出させることで効果が出るのですよ。

ーー つまり、ダイナマイトとバイアグラは同じ効果があるわけですね。 

Dr. Haruhiko Inufusa

犬房 酸化ストレスが高いと、精子の数が減って動きが悪くなる、と報告されていますので、酸化ストレスは不妊症の原因とも言えます。

アマトーレ博士は今年11月にリオデジャネイロで開かれる産学協同の研究会「8th SHIPS meeting」で「アマトーレ・インタナショナル・シンポジウム」の座長をされる予定です。そして、そのシンポジウムで講演されるのがフレッド・ムラド博士です。私もアマトーレ博士のご推薦でシンポジウムの協同座長、プログラム委員を務める予定です。ノーベル賞研究者講演の座長とは冷や汗ものですが、名誉なことです。

アマトーレ ムラド博士に犬房先生の研究結果を見ていただくよい機会です。彼は内科医ですから抗酸化治療の良いアイデアも持っていると思います。楽しみですね。

犬房 はい。私もムラド博士にはお目にかかりたいと思っていましたので、うれしいです。 これからアマトーレ博士と協同研究を本格的に開始することになりました。よろしくお願いします。

アマトーレ 私も日本に来る機会が増えるので楽しみにしています。

ーー 本日はありがとうございました。アマトーレ博士の「ワインが健康によい」という研究にも期待したいです。

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【お問い合わせ先】TIMA Japan 06-6261-6670
【公式ホームページ】
timajapan.com

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※本品は多量摂取により、疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。摂取量の目安を守ってください。

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不肖ヤマダヤスシ編集長
北海道札幌生まれの道産子。いつも目の前のことだけを考えている。いまこのときを切り抜ければ、人生はなんとかなる! 善人なをもて往生をとぐいはんや悪人をや。

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