ハンガリーワインの魅力とは?
まず、参加してきたのは、マスター・オブ・ワインのエリザベス・ガベ(Elisabeth Gabay)さんがセミナーを開催する、本格的な勉強会でした。
「ハンガリーワインの魅力とは何か?」をテーマに、ハンガリーワインの基礎知識、日本食とのペアリングのアイデア提案など。まるで、大学の講義さながらの本格的セミナーです。
トカイワインはもちろん、実にさまざまなワイン品種、味わいのバラエティーが広いんです。
フルミントは、ドライから甘口までいろいろな顔つきがある品種だという話があって、実際にテイスティングもしました。合わせたいペアリング提案も多数ありました。
ここで思ったことがあるのです。
ハンガリーのワイン、そしてこのフルミントの品種はこんなに素晴らしいのに、なぜそんなに飲み親しまれてないのか、日本ではみんな馴染みがないのかな、私の周りも含めて・・・。
そうずっと疑問に思いながらセミナーに参加していたのです。
その夜、ハンガリー大使館でハンガリーワインと料理のペアリングも体験するパーティに参加させて頂きました。セミナーで勉強したことを思い出し、参加されていたワインラバーの皆さんともいろいろお話をしました。その中で、「はっ!」と思ったことが1つあったので、ここに記させていただきます。
それは、ずばりブドウ品種の名前、つまり、「フルミント」という名前です.
まず、フルミントと日本語で聞いたとき、ほとんどの人は「ミント」という言葉に引っ張られてしまうと思いました。
するとどうなるでしょうか?
きっと「ミントっぽい香りがするドライな白ワインなのでは?」そう思ったりしませんか?
同時に、ひんやり青っぽい涼しい香りのする、清々しい高原の風が吹いてきます。人によっては、すぐにミントの風が吹いてきますよね?(笑)
ただ、実際は全くミントなんて香りはなく、むしろ、ハチミツやレモンの香りがするのです。誤解されやすいこと、これはフルミントのアキレス腱です。
フルミントは、れっきとしたワイン品種であるのに、全く関係ないミントというイメージに引っ張られてしまっている。
事実、そのような話をされている方もいらっしゃいました。「フルミントって、ミントとは全く関係ないのにね」という声です。
思うに「ハンガリー代表格の品種=フルミント」という存在は、間違いなく、ハンガリー全体のワインブランドの入口であるはず。
そのフルミントが、実は誤解を招いてしまう可能性がある、そこがハンガリーのワインの実力が日本でまだ伝わり切らない心理的要因になっているのでは、私はそう思いました。
一応、マーケティングやブランドに仕事で携わっている身として、このイメージを何とかできないか、そう思いつつ、ワインを飲みながらこの記事を考えてみました。
色でも聴覚でも香りでも、刺激は共感覚効果といって、ある刺激に対して通常の感覚だけでなく、異なる五感の感覚のイメージを知覚させる、そんな働きがあります。赤色に暖かさを感じる、青に冷たさを感じる、そんな感覚と一緒です。
伝わって欲しくないミントのイメージを知覚させることなく、フルミントの魅力、そこから、さらにハンガリー全体のワインや食に興味を持つファンが増えていくように、大変恐縮ながらフルミントの新しい名前を考えてみました。
発表します。
その名も「フルミン」です! つまり、フルミントの「ト」を取る。あるいはトは発音しません。
これだけで、少なくともミントのイメージは消え、覚えやすい4文字になります。誤解イメージを生むことなく、すっと覚えてもらうことを目指します。これは初対面のワインには物凄く大切なことなんじゃないか、私は切にそう思った次第です。
それができたら、ハンガリーワインにはもうポテンシャルしかありません。トカイの白だけじゃない、ロゼ・赤も本当に面白いワインがあります。
つまり、ハンガリーには、伸びシロしかない、そう思うのです。本当に。
ホントカイ?
ここまで覚えてくださったらもう完璧です・・・。
乱文失礼しました。(笑) それでは、またお会いしましょう。