フラテリパラディソは、オーストラリアのシドニーで2001年にオープンした、人気イタリアンダイニング。シドニーの飲食事情や流行を熟知している食通たちからも、「ここに行けば間違いない」との評価を得ているとのこと。また、ゲストとスタッフが一体化するような魅力的なサービスが人気で、オーストラリアでナチュラルワインを広めたレストランとしても有名だそうです。
そんなフラテリパラディソが、日本上陸。2017年5月8日に、表参道ヒルズに日本一号店をオープン。それが、今回伺ったお店。そして、今回のイベントはイタリア・ピエモンテ州から3人のワインメーカーを呼んでのピエモンテナイト! 会費10000円で、3生産者のワイン(事実上)フリーフロー! ピエモンテ州の伝統的なお料理も楽しめる♪ 立食形式のイベントです。
ワインとともに来てくれた生産者は、Canonica(カノーニカ)、Case Corini(カーゼコリーニ)、 Borgatta(ボルガッタ)の3ワイナリー。ピエモンテワイン好き(詳しくはない・・)の私としては、テンションアップ、表参道にもドキドキ!、少々浮足立ちながら参加してまいりました。
お洒落でインターナショナルぅ!
イベントは19時スタート。都会にドキドキの私は開場の18時半きっかりに店に向かいます。
表参道ヒルズの中はちょうどクリスマスデコレーションが始まっていて、 ツリー型のライトが吹き抜けを照らしていました。お洒落。
さて、お店は3階。エスカレータを降りてすぐ。モノトーンでスタイリッシュなエントランスを入ったら、 「いらっしやいませ」・・・じゃなくて「Buona sera~♪」。 迎えてくれたのは外国人スタッフの方。 な、なんかインターナショナルな予感・・。
お店は手前にバーエリア、その奥にレストランエリアが広がっており、 今回のイベントはバーエリアで開催される模様。 バーエリアだけでも60名がゆったり居られる広さです。
イベント開始までの30分は、ウェルカムドリンクをいただいて、思い思いに歓談タイム。 ウェルカムドリンクは、Valli Unite のBrut Spritz(スパークリングワインカクテル)でした。
そして、この時間、さきほどのインターナショナルな予感が的中。シドニーが本店だからなのか、表参道だからなのか? 来るお客様の半数以上が外国人のお客様。 というか、人種関係なく、国籍混在と思われるグループで皆様ご来店。 エントランスでは、お店のスタッフとハグ、握手。そしてグループごとに挨拶を交わして・・。 って、基本、英語です。皆さん。(汗)
ちょっとちょっと、日本語だけで話しているのって、私たちとあと、あそこと・・数えられるほどでない? ちょっとした海外旅行気分というか、東京って国際都市だったのね・・と、噛みしめる30分でした。誤解がないように書いておくと、場の空気はとてもフレンドリー。私が一人で怯えていただけで。「東京」でなくて、「TOKYO」を感じながら食事とお酒を愉しむことができる空間、ぜひ体感していただきたいです。
さてさて、イベントが始まります。ここまでオドオドしていた私も、ワインを飲み始めたら、引っ込み思案は脱出です!。
ワインメーカーと近い距離で語りながらワインを楽しむ!
イベントは、19時にスタート。お店からオープニングの挨拶(英語)。そしてインポーターの太田さんが挨拶(日本語。ホッ)。広いバーカウンターの3辺に、それぞれワイナリーの生産者が立ち、ワインを振舞ってくれます。カウンターの内側からサーブするだけでなく、外に出てきて語ってくれるので、ワインメーカーとゲストがまさに一体化して時間と空間を共有する感じ。 作り手の人柄が感じられて、なんでしょう、ワイナリーに訪問しているような気持ちにさせてくれます。
お店の特徴にも挙がっていた「一体感」。いつもこんな雰囲気なのでしょうか、このお店。 イベント以外でも覗かなければ。
さて、ワイナリーを一つずつ回りましょう。
オヴァーダ地域の「Borgatta(ボルガッタ)」
最初に訪れたワイナリーは、ピエモンテ州南東部のドルチェットで有名なオヴァーダ地域にある、ボルガッタ。オヴァーダのワインは日本ではあまりお目にかかれない気がします。 貴重、貴重。
いただいたのは、「Dolcetto di Ovada 2011」、「Barbera del Monferrato 2011」。
ドルチェットって、若々しくて果実味あって明るいイメージがあったのですが、ここのドルチェットは角がしっかりした感じ。 タンニンもあるし。こんなしっかりしたドルチェットがあるんだなぁと驚きました。 ブドウ畑で振り返る、愛らしいけど目線の強い若い娘。
バルベーラは、逆に角が丸くて厚みがあって、バランスが良い印象でした。 もっと年齢が上になった、知的で柔らかな瞳の女性という感じでしょうか。
残念ながら、生産者の方がいらっしゃれなかったので、インポーターの太田さんに説明いただいて、もりもり飲ませていただきました。
「プロフェッソーレ」ロレンツォのワイン Case Corini(カーゼコリーニ)
お次は、アスティ県のカーゼコリーニ。 ロレンツォ&グイード親子が作る自然派ワインです。 代々手工業と農業の兼業をしてきたコリーニ家の5代目で、現当主のロレンツォが、ボトリングを開始したワイナリー。 ロレンツォは地質学を専門とする農業博士でもあって、 彼のブドウ畑は、ライフワークとも言える 「持続可能な農業」の実験の場ともなっているとのこと。
今回は、息子さんのグイード・コリーノさんが説明+サーブ してくれます。爽やかで明るいイケメンの息子さん。 絵になります。
そして、ワイン。 まず、なにって、このワインシリーズ、美味しいです (もっともダメな感想ですが・・)。すごく凝縮感あって酸もしっかり、その一方で繊細で優しい 口当たり。すごく飲み進みます。
飲ませていただいたのは、以下の5種類。
Vinaiota 2011/12/13 バルベーラ主体のプレスワインをボトリングしたワインで、日本限定のようです。2011,12,13のブレンド。 マグナムボトル。
Achille 2012/13、2007
セラーに程近いところにある区画で、バルベーラとネッビオーロほぼ半々で仕込まれるワイン。
Barla 2010
樹齢80年オーバーの区画、バルラで獲れるバルベーラで造るワインでカーゼコリーニのトップキュベと呼ぶ
べきワイン。
Centin 2013
アキッレとコッレットという名前の区画の選りすぐりのネッビオーロで仕込むワイン。
どれも美味しかったけど、ネッビオーロ好きな私は、Centinがしっくり。乾いた香りが好みです。 同行の友人はBarlaをめっちゃ押し! で何度もお代わりをいただいていました(笑) 。果実の凝縮感がすごくて、でも、するするっと喉を通ります。
そして、二人ともが忘れてなるものかと写真を撮りまくっていたのが、Vinaiota 2011/12/13。松花堂弁当のように、様々な自然素材の味と風味が、瓶の中にぎゅっと詰まったような感じ。和食と合うと思うなぁ。根菜にもしっくりくるはず。
お料理は、ピエモンテおつまみ
ワインとあわせて、お料理は、ピエモンテ州の郷土料理が並びました。
ライトなおつまみから、ハム、パスタ、肉料理まで、多くの種類がずらり。ワインが美味しいので、お料理も皆さんどんどんすすみます。
並ぶが早いか、どんどん売れていく。写真に残ったのは、この最初の一瞬だけでした。
王道バローロをいただく Canonica(カノーニカ)
そして最後に訪れるのは、(カノーニカ)。王道のバローロです!
カノーニカは、ジャンニ・カノーニカが1983年に始めたワイナリーで、彼自身が納得しない年のワインはボトリングをせず、桶売りしてしまうほど、徹底したこだわりをもってワインを作っているとのこと。
・・という情報がとてもしっくりくる、芯の強さを感じる、力強いバローロでした。タンニンも酸もしっかりしていて、同時に自然の力を大切にする柔らかさ、包容力も感じさせるワイン。以下の3種類がジャンニさん自らの手でサーブされました。
Barolo Paiagallo 2012、Barolo Paiagallo 2013、Barbera d’Alba 2015。
ワインはもちろんですが、ジャンニさん自身がまたこれが絵になる素敵な方で、まさに厳格さと温かい包容力とを併せ持った雰囲気の方。 気軽にワインをサーブいただいて、大切なワインをリラックスして堪能させていただきました。
ワインメーカーと語り合いながらワインをいただく至福!
今回のイベント、「メーカーズディナー」とは違って、この会場+スタンディング形式であったことで、独特の空気になっていました。
空間はラグジュアリーでお洒落。でもバーエリアでのスタンディングということで、場の雰囲気がカジュアルに。そして、飲み手が肩ひじ張らず、リラックスしてワインを味わえることはもちろん、ワインメーカーさん側もカウンターから出てきてお話くださり、ワインメーカーの皆さんと「語り合う」ことができた貴重な機会でした。
もちろん、メーカーズディナーもお料理とのペアリング含めてゆっくり堪能できて素敵ですが、こういった語り合える、感じ合えるイベントもワインの醍醐味だなぁとしみじみ。
同じようなイベントがあれば、ぜひぜひ、参加したいです。みなさまもぜひ、語り合えるイベント、参加してみてください。
最後に、大切に大切に作ってこられたワインを、本当に気軽にサーブいただいたワインメーカーのみなさん、このようなイベントを組み立ててくださった、インポーターさんとお店に感謝感謝。