シェフがワインに強い店 6選! その3
豪徳寺「三輪亭」のオーナー・シェフ 三輪 学さん
北イタリアのワイン、ビールに自家製ハム、チーズやパンも販売するマルチな南チロルの味の伝道レストラン。レッツ・ゴー!
修行時代、北イタリアのトレンティーノ=アルト・アディジェに立ち寄り、複雑な歴史の変遷をたどる中で残ってきた南チロルの地方料理にすっかり魅了された。ダイナミックで多様な肉料理をはじめ、「食文化の集合体」ともいうべき本場の味を日本に広めたい、それが修業先「ピクレル」への恩返しになる、と豪徳寺に店を構えたのが9年ほど前のこと。
ヨーロッパの郷土料理の中でも南チロルは知名度が低く、まして住宅街というロケーション。この地で30~40年続くレストランにするために、三輪シェフが目指すのは「マルチな店」だ。
まず酒販店免許を取得し、ワインの通販事業をスタート。食肉製品加工業にも挑戦し、北イタリアのワインやビールと合わせて自家製シュペック(燻製生ハム)や惣菜、本場のチーズやパンの半谷をはじめる。多角的な展開と地道な努力の甲斐あって、「南チロルは知らなくても『三輪亭』の名前は広まってきました」。
写真の「バウエーンシュマウス」は三輪亭のアイコンともいうべき料理。白、血、スモーク、エゾシカのソーセージに鶏肉、皮つき豚肉をザワークラウトで煮込んだもので、肉のうまさがストレートに伝わり、骨太の美味しさで感動させる。
合わせたのはノヴァチェッラ修道院製造のツヴァイゲルト。赤い果実と花の香りに、エレガントな味わいで余韻も心地いい。なにより未知なる食文化に触れる、好奇心の満たされ感がたまりません。
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バウエーンシュマウスとザワークラウト(2人分~)3,700円
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