シェフがワインに強い店 6選! その6
荻窪「ヴァリノール」の相原 薫シェフ
ワインに合わせて料理を変える。こんな発想ができるのはソムリエを資格を持っているからなのです。
まずワインありき。今回のメニューはかくのごとくに決まった。まず、白を試したら、酸が立ちすぎて若かった。次に赤を口にしたら、ポテンシャルが凄かった。
「複雑味のあるカベルネ・フランで、酸味、香りの凝縮感があり、ほうれん草のような青っぽさもある。これはホロホロ鶏だな」。
そう即決した相原シェフは、ローストしてから1~2割を炭火で仕上げた。ソースはホロホロ鳥のジュに白ワインとマデラ酒を。試作時まであった玉ねぎのピュレは結局省いた。
「甘みが邪魔になると思って。最初はソースに内臓も加えるつもりでしたが、リッチになりすぎて合わなくなる」。
「銀座レカン」で腕を磨いていた頃、寄せられる高度な要求に応えられるよう、ソムリエの資格を取得した。同時、同輩のソムリエ・大越基裕さんからアドバイスを得られたのは大きかった。
「試飲を重ね、試験で押さえるべき品種や産地を的確に教えてもらいました。“ワインと料理は酸味の同調性が大事“とも。ソースには自信がありますが、ワインに合わないと思えば潔くピュレに切り替えます」。
最近は合わせる料理とワインが明確に浮かぶようになり、皿を“読み解く”力が増した、という自覚がある。ぜひ、相原シェフのマリアージュをお試しください。ひとことで申し上げれば、完璧!