プロヴァンスの風を感じて
北海道立近代美術館にもほど近い、閑静な住宅街で2003年より営業している「プロヴァンサルキムラ」。店名の通り、プロヴァンス地方の料理を提供するレストランだ。
元々はビルの1Fで営業していたが、2017年秋に、旧店舗から歩いてすぐの場所に移転オープン。カフェだった一軒家の建物を、オープン当初からのイメージカラー・ミントグリーンの壁に。仲通で目立たない場所ではあるものの、誰もが立ち止まってしまう、プロヴァンス風の建物になっている。
その建物横に特等席のテラスがあるのだ。
オープンエアで食事が楽しめる期間が短い北海道だからこそ、2テーブルしかないテラスは予約必須。そのテラス席でプロヴァンスの風を感じながらアルコールを味わうなら、やはりシュワシュワは外せない。比較的湿度の低い北海道には、キリっとフレッシュなシャンパンが、無条件に美味しい。
そこでオーナーシェフの奥様でもある木村町子さんが用意してくれたのは、『ジャカール モザイク・ブリュット』。フレッシュでありながらリッチな味わいも楽しめるジャカールモザイク・ブリュットは、どんなに暑い日でも、日が沈むと気温が下がり始める札幌の夏にピッタリ。そしてさらにシャンパンを美味しく味わうために用意してくれた1皿が、『北海道宗谷産ホタテのポワレ カレー風味のズッキーニのピューレ トマトコンフィと松の実のコンディマン』。
旨みが凝縮された身の厚い帆立の貝柱の周りには、ナスやトマトなどの夏野菜、さらに色鮮やかなズッキーニのピューレが敷かれている。爽やかな味わいの中で、松の実の食感とカレー風味のスパイスが程良いアクセントに。
思わず目を閉じてプロヴァンスの風景を思い浮かべたくなる。
「出来る限り北海道産の食材を使用しており、特に野菜は札幌近郊の契約農家から仕入れています。遠方からも訪れてくれるお客様の期待を裏切ることのない料理を、これからも提供していきたい。」
と、人懐っこい笑顔でオーナーシェフの木村浩さんが語ってくれた。