マッキーさん、横丁、作っちゃいました
店が競い合うようにひしめき並ぶ横丁は、そぞろ歩きの人もまた風景の一部となる。ただ、近年は残念なことに全国の街で横丁の賑わいが弱まり、気付けば昭和の遺跡扱いに。そんな横丁文化をあらためて深く掘り下げ、食にこだわるオトナ向けに創生されたのが「虎ノ門横丁」だ。いったい誰が掘り下げたのかって、何を隠そうマッキー牧元さんだったりするわけで。
「こういうの、僕の本来の仕事じゃないんだけど、『楽しくておいしい横丁を作って』と声掛けされたからね。各ジャンルを代表する人気店に出店をお願いしてまわって、さらには若いお客さんでもハシゴ酒ができるよう、値段も雰囲気もカジュアルにして。ようは自分用の遊び場を作っちゃっただけ(笑)」
そう語るマッキー牧元さん、まずは虎ノ門横丁内のワインセラー「ハンド ピッキング ワイン」へ。150種以上揃えるこの店で購入したワインは、虎ノ門横丁の飲食店どこでも無料で持ち込めるという。ただし、飲み残したボトルをほかの店舗へ持ち越すのはNGなので、ボトル数本を手にハシゴ酒をする際は、どの店でどのボトルを開けるかが思案のしどころだ。
焼きとんなら「鳥茂」以外の選択肢がない
150種以上揃う各国ワインからコノスルの赤と白を手早くチョイスしたマッキー牧元さんが、次に向かったのは……「焼きとんなら、『鳥茂』以外の選択肢がない」とマッキー牧元さんが惚れ込み横丁メンバー入りに尽力した「鳥茂 支店」。店名に「鳥」とつくものの、得意な肉は豚から鹿まで幅広い。肉質の見極め、切り方、焼き方、すべてを心得た名店であり、独自ルートで仕入れた稀少肉の炭火焼が日々提供される。
鳥茂 分店
東京都港区虎ノ門1-17-1
虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー 3F 虎ノ門横丁
TEL 03-6457-9718
営業時間 平日16:00 ~23:00(L.O.22:00)、土祝16:00 ~22:00(L.O.21:00)
定休日 日
「たとえば、焼きとんの上シロ(大腸)が1串1200円って高額でしょ。でも、1頭分の長〜い腸のなかで、一番やわらかい部分だけを使っているから、一度食べたらシロの概念が変わる。そんな1頭分の1串と考えたら、納得の価格なの」
ハイレベルな焼きとんに合わせるべく、マッキー牧元さんが持ち込んだコノスルもプレミアム級。気負わずクイクイ飲める価格をキープしながら繊細さと凝縮感を増した「20 バレル・リミテッド・エディション」シリーズである。
「赤はピノ・ノワール、白はシャルドネ。どちらも噛みしめながら飲むような厚みがあるけど、思ったより樽香は強くない。冷えてなくてもおいしいから、温度を気にせずゆっくり飲めるよ」
たたきの串を齧りつつ、ピノ・ノワールとシャルドネを交互に試飲。
「カジュアルなコノスルなら、これは赤で決まりのはず。このピノはわりとしっかりしていて…… あれっ、白のシャルドネのほうが断然バランスがイイんだな」
さっそく予想を超えるペアリングに出会えて、マッキー牧元さんはご満悦。今日も楽しいひとり酒、ボトル2本なんてラクラク空いちゃう!?
ニューワールドを牽引するコノスルとは?
1993年チリにて創立、ワイン造りのコンセプトを当初より「品質第一主義」と定めてきたコノスル。ゼロからのスタートにもかかわらず、伝統にとらわれない立場を強みと解釈し、いち早くオーガニックに注力してみせたワイナリーである。スクリューキャップの導入など新技術の導入にも積極的で、その革新性でチリのトップブランドに躍り出た。