ミュスカとピノ・グリの底力を知る
オーナーソムリエの林寛ひろしさんは「ドメーヌ・アルベール・ボクスレ」「ドメーヌ・メイエ゠フォンネ」「ドメーヌ・ボット・ゲイル」で研修したのち、2ツ星「シャンバール」でソムリエとして働き、合計6年間をアルザスで過ごした。
帰国に当たり、アルザスのソウルフードであるタルトフランベに着目し、コルマールのパン屋で勉強した。試行錯誤しながらフランス産小麦、フランスの硬水、ゲランドの塩を合わせたオリジナル
生地が生まれ、ソースのフロマージュ・ブランもフランスから取り寄せている。
今回、1番人気の7種類のハーブを使ったタルトフランベには『ミュスカ 2016年』(ドメーヌ・アルベール・ボクスレ)を選んだ。
「ドライでアロマティックで酸とボディがしっかりあり、野菜のような香りや果実感がハーブに合います」と林さん。
さらにミュスカはシラーグラスで飲むと、マスカットの香りや複雑味が立つのでお勧めという。
2品目は鴨肉のフィレを瞬間燻製にかけ、鶏の白レバーと合わせたつみれ。これにキノコのソテーをかけ、自家製パスタのシュペッツェレを添えた。
これは『アルザス・グラン・クリュ・ゾーネングランツ 2011年』(ドメーヌ・ボット・ゲイル)と一緒に。
「ピノ・グリのアンズの風味や甘味、酸味や燻製香が肉やキノコの香りと合います」。ピノ・グリはコースを1本で通せる力があるのが魅力という。