王道フレンチを引き立てるアルザスワイン
19歳の時、ストラスブールの当時3ツ星だった『クロコディール』で半年間研修したことがある岡田宏シェフ。その後、東京や軽井沢の名店で腕を磨きつつ、ソムリエ資格も取得した。本格的な修業のために渡仏し、合計3年半研鑽を積んだ。そんなシェフの料理はフランス料理の神髄をしっかり守った骨太なスタイル。
マンステールチーズを詰めたジャガイモのグラチネは、アルザスへのオマージュで生まれたシェフのオリジナル。火を通したマンステールの独特な旨味、現地ではマンステールに必須のクミンの香り、そこに『ピノ・ノワールカンテサンス 2016年』(シャルル・フレイ)がソースのような役割を果たす。柔らかなタンニンが複雑な味わいを引き立て料理に寄り添ってくれる。
アマダイのウロコ焼きは「出来立てのエストラゴンの風味をつけたバターの香りとともに味わって」と岡田シェフ。
これには『ピノ2016年』(ドメーヌ・ローヴ)のオーセロワやピノ・グリ、ピノ・ブランの混醸の白がお勧め。
「ミネラル感のある白が魚介に合います」とディレクターの木村伸也さん。
「アルザスワインの魅力は若くて楽しめるもの、畑の格が上のグラン・クリュなど幅広いスタイルと品種ごとの特徴があること」
と岡田シェフはペアリングでその味わいを知ってほしいと語ってくれた。