黒アワビと肝ソースにピノ・ノワール
ワイン好きの高良康之シェフらしく、この店を2018年10月にオープン以来、アルザスも含め、今ではフランス産を中心に約600種類をストックするほどに。
今回提案してくれたのは、黒アワビに肝のソース、温度卵、さらにトリュフを添えた王道の組み合わせかつ濃厚な料理。
高良シェフのチョイスは『ピノ・ノワール 2016年』(ドメーヌ・アルベール・ボクスレ)だ。
「魚介類は白を連想しますが、これは黒アワビの食感と表面を少し焼いた香ばしさ、トリュフの香りがあるのでピノ・ノワールと相乗効果をもたらしてくれます」
ディジョンマスタードの酸味を加えた肝のソースは、コクと複雑味が増し、ピノ・ノワールに合うよう計算されている。
続いてはラングスティーヌとセップ茸のラヴィオリ。泡のソースはセップ茸とマッシュルームをベルモットやマデラ酒で煮詰め、牛乳や生クリームで延ばしたもの。これには『ピノ・グリ・ル・フロマントー 2014年』(ジョスメイヤー)がお勧め。
「ピノ・グリのボリューム感と果実感がラングスティーヌの甘さ、キノコの旨味や香り、ソースの油脂と同調します」
実は高良シェフはリースリングが一番好きで、プライベートでは常に楽しんでいるという。
「甘味と酸味のバランス、辛口の飲み口がどんな料理にも合います」
アルザスワイン好きシェフによる、素材とソースとワインのの麗しき世界を堪能したい。