肉が食べたくなる赤ワイン
アメリカでもっとも売れている(※)赤ワイン「アポシック・レッド」。1933年にアメリカ、カリフォルニアの地に創業した「E&Jガロワイナリー」が手掛けるブランドだ。
13世紀ヨーロッパでは、ワインのブレンドや貯蔵をする場所を”Apotheca”と呼び、神聖な場所として崇めていたことから、この名がつけられたという。ワインメーカーを務めるのは、カリフォルニア州立大学スタニスラウス校で地質学の学士号を取得したデビー・ユルゲンソンさん。95年の入社以来、オーク樽とワインの相互作用を研究し続けている人物だ。
アポシック・レッドは、ブラックベリーやプラムなど、完熟した黒系果実のリッチな香りに滑らかなタンニン、アフターにほのかなスパイスが感じられ、フレンドリーだけれど満足感のある旨みたっぷりの味わい。一口飲んだ瞬間、肉が食べたくなること間違いなしの1本である。
フレンチビストロ「イバイア」考案のハンバーガー
早速、フレンチビストロ「イバイア」に依頼し、このワインに合うオリジナルのハンバーガーを考案してもらった。
料理長の深味雄二さんの肉扱いの確かさが、多くのお客の胃袋をしっかり掴んでいるのはもちろんのこと。絶妙の火入れによる、あまりにも美しいレアな断面を誇る料理は、数々の雑誌の特集で表紙を飾るなどして注目されている。
そして、遂に誕生したのが「イバイア特製! 牛ヒレカツバーガー」なのだ。
アメリカ産の牛ヒレ肉にパセリやニンニクを混ぜたパン粉をまとわせ、カラリと油で揚げる。さらに、たまねぎやニンニク、にんじん、セロリ、マッシュルームなどをフォン・ド・ヴォーで煮込んだソース、酢漬けのハラペーニョ、トマトやマヨネーズと合わせたサワークリーム、タラゴンなど、ビジュアルはダイナミックなのに緻密な構成。
「インパクトはあるけれど、滑らかな酒質のワインなので、牛ヒレのしっとり緻密な食感がマッチすると思って考えました。ミンチよりしっかり肉の味が楽しめるところがポイントです」と深味さん。
店主の兼安聡子さん(写真左)「株式会社ひらまつ」、銀座「グレープガン」、銀座「マルディグラ」で経験を積み、オーナーとして「イバイア」をオープンする。
店主の兼安さんは「熟したベリー系果実のニュアンスが印象的なので、ソースの隠し味にカシスのリキュールを使っています。昨年カリフォルニアに行ったとき、肉料理にアンズやネクター、ベリー類などを添えたお料理を頂いたので、やはり肉とフルーツ+カリフォルニアワインは特に相性が良いのだと感じました」と話す。
「ワインワット」編集部の無茶振りから生まれた、贅沢過ぎるハンバーガーは、6月〜8月(要予約)に実際にイバイアで味わうことができる。人気肉ビストロのシェフが手掛ければ、それはもうメイン級の迫力とウマさを誇る「肉料理」。グルメバーガーに一過言ある愛好家もワイン好きも、この機会をお見逃しなく!
※営業時間や定休日、メニュー内容は変更になる可能性がございます。詳細は店舗へお問い合わせください。