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『ヴィニャ・ポマール』とスペイン料理の華麗なる出合い

最高峰レンジもいよいよ登場!

繊細なスペイン料理が楽しめるレストラン「フェルミンチョ」。オーナーシェフの作元慎哉さんは、大のワイン好きでソムリエ資格をもつ。現地で修業も積んだ作元さんとサーヴィス担当の鎌田昌之さんに、リオハを代表するブランド「ヴィニャ・ポマール」3種類とスペイン料理とのマリアージュについてうかがった。

作元慎哉さんと鎌田昌之さん

オーナーシェフ&ソムリエの作元慎哉さん(左)とサーヴィス担当の鎌田昌之さん。「長期熟成のコンプロミソは5年後くらいに本領発揮だと思うのでセラーで寝かせています」と作元さん。鎌田さんはスペインに2年滞在しワインを学んだ。

熟成からくる旨味

スペインワインの銘醸地リオハで、自社ブランドのパイオニアとして知られているのが「ボデガス・ビルバイナス」。このワイナリーが自社畑の畑名を冠して生まれたのが「ヴィニャ・ポマール」で、高品質のワインを造り出している。

この『ヴィニャ・ポマール』の良さを「リオハの伝統的な醸造法を実践しつつ、近代的な畑の管理やエコ栽培といった改革を取り入れている」ことと作元さんは語る。

そんな作元さんが一押しなのが、『ヴィニャ・ポマール・グランレセルバ 2011年』。これはテンプラニーリョ90パーセント、グラシアーノ10パーセントのブレンドで、アメリカンオークの小樽で1年間熟成させたのちブレンドし、合計2年間熟成させる。さらに大樽で6カ月とボトルで3年間の熟成を行う。

「樽のきかせ方と果実味のバランスが取れていて、熟成感もあります。グラシアーノをわずかに入れているのも伝統的ですし、ボディを支えていると思います」と語るサーヴィス担当の鎌田昌之さん。このワインには、伝統的な豚のソーセージをアレンジした「蝦夷鹿のブティファラ」がお勧めだ。

蝦夷鹿のブティファラ

蝦夷鹿のブティファラ

「鹿肉は鉄分が多いので、熟成感があり、余韻も長いグランレセルバとの相性は抜群です。このソーセージはイベリコ豚のベジョータの脂も使っており、ソテーしたジロール茸を添えているので、9年の熟成を経て旨味があり、キノコの香りをもつグランレセルバが合います」と作元さん。

熟成もしっかりしていながら価格もお手頃。リオハの魅力の1本だ。

赤1本でコースを通せる

『ヴィニャ・ポマール・クリアンサ・センテナリオ2016年』はテンプラニーリョ100パーセントでベリーのジューシーな果実味や樽の風味が特徴だ。

「ベリー系の香りがあって、ワインビギナーの方にもお勧めの飲みやすさです。また価格もお手頃ですし、幅広い料理に合わせられるので、この赤1本でコースを通す方もいらっしゃいます」と鎌田さん。

この軽快な味わいには、春らしい素材を使った「ソラマメとホワイトアスパラガスのサルティアード、温泉卵とトリュフの香り」を合わせたい。

ソラマメとホワイトアスパラガスのサルティアード、温泉卵とトリュフの香り

ソラマメとホワイトアスパラガスのサルティアード、温泉卵とトリュフの香り

「クリアンサ・センテナリオは酸も豊かなので春野菜を使った料理に合います」と作元さん。この料理はビウラ70パーセント、マカベオ30パーセントの『ヴィニャ・ポマール・ブランコ』もフレッシュな味わいでボリュームのある白なのでお勧めという。

ちなみにテンプラニーリョ100パーセントには『ヴィニャ・ポマール・レセルバ・センテナリオ』もあり、こちらは程よい酸味と滑らかなタンニンが魅力で、やはりさまざまなタイプの料理と楽しめる。

5品種が生んだ限定生産品

リオハの異なるテロワールの特徴を体現した品種を用いて、1つのヴィンテージでわずかに5000本のみ の限定商品が『ヴィニャ・ポマール・コンプロミソ2015年』。テンプラニーリョ、ガルナッチャ、マチュラナ・ティンタ、グラシアーノ、マスエロの5品種を別々に醸造し、最終ブレンドのあとにフレンチとアメリカンオークの小樽で熟成させる。

「5品種使っているので果実感が強くて驚きました。また樽の香りも感じますね。すでに5年経っていてもフレッシュで、将来が楽しみです」と鎌田さん。

一方、作元さんは「今飲むなら果実感を楽しめます。酸もしっかりあるので長期熟成させたいですね。コンプロミソを一口飲んで浮かんだのが、イカのソテーです」。ヤリイカの詰め物にはイシリ(イカのワタを発酵させた魚醤)で甘辛く炒めたイカやタマネギを。イカ自体やイカスミソースの旨味、甘辛い味付けが、コンプロミソの凝縮した果実味と共鳴し合う。

ヤリイカのレジェーノ、イカスミソース

ヤリイカのレジェーノ、イカスミソース

ヴィニャ・ポマールのラインナップは、赤1本で通すことができる守備範囲の広い味、フレッシュな白、熟成感があるリオハの伝統の味、果実感のある今もいいが、数年後に真価を発揮する長期熟成タイプなど実にさまざま。ソムリエの腕のみせどころで、ワインをシチュエーションごとに提案できるのが強みといえよう。

ヴィニャ・ポマール

写真左から『ヴィニャ・ポマール・コンプロミソ2015年』『ヴィニャ・ポマール・グランレセルバ2011年』『ヴィニャ・ポマール・クリアンサ・センテナリオ2016年』(価格はすべてオープン/3本とも「D.O.Caリオハ」)リオハはエブロ川左岸のアラベサ、東部のオリエンタル、西部のアルタの3つの地域に分けられる。「ボデガス・ビルバイナス」のあるアルタはリオハの中でも最上級のワインを生み出す産地として知られている。

フェルミンチョ

フェルミンチョ
東京都港区西麻布1-8-13
03-6804-5850
http://www.fermintxo.com/


 

リオハ・アルタの老舗ワイナリー
「ボデガス・ビルバイナス」

自社畑のブドウのみ使用し高品質ワインを造るワイナリー。1997年、「ボデガス・ビルバイナス」はスペイン最大手のワイナリー・グループの一つ「コドルニウ・グループ」の傘下となる。以来、最先端の農業技術などを導入し、さらなる品質向上に取り組んでいる。

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