「ちゃりんこ」ラベルで日本でもすっかりお馴染みになった、チリの「コノスル」。ワイナリーの歴史は比較的短く、チーフワインメーカーのアドルフォ・フルタードをはじめ、スタッフは皆若い。それだけにチャレンジ精神は旺盛。早くからオーガニック栽培に取り組み、ピノ・ノワールやゲヴュルツトラミネールといった、チリでは珍しい品種にも果敢に挑んてきた。いつの間にやらラインナップも10品種。ピノ・ノワールのロゼも含めると11種類とバラエティ豊かに。それで、これらのワインと鍋との相性を考察してみよう……と相成った。
海鮮寄せ鍋 | 鶏水炊き | キムチ鍋 | 湯豆腐 | おでん | すき焼き | |
---|---|---|---|---|---|---|
カベルネ・ソーヴィニヨン(赤) | ☆☆☆ | ☆☆ | ||||
メルロー(赤) | ☆ | ☆☆☆ | ||||
カルメネール(赤) | ☆☆ | ☆ | ☆☆☆ | |||
シラー赤) | ☆☆☆ | ☆☆ | ||||
ピノ・ノワール(赤) | ☆ | ☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆ | ||
シャルドネ(白) | ☆☆☆ | ☆☆ | ☆ | ☆☆ | ||
ゲヴュルツトラミネール(白) | ☆ | ☆ | ☆☆☆ | ☆ | ||
ヴィオニエ(白) | ☆ | ☆ | ☆ | ☆☆ | ||
リースリング(白) | ☆ | ☆☆ | ☆☆☆ | |||
ピノ・ノワール・ロゼ(ロゼ) | ☆☆☆ | ☆☆ | ☆☆☆ | ☆ | ☆☆☆ | ☆ |
こうしてチャートを眺めてみると、すべての鍋に対して最低でもひとつは星をとっているのがロゼ。白と赤のよいとこ取りな性格に加え、フレーバーや味わいがともにでしゃばらないところがポイント。またもうひとつ、卒なく星を稼いでいるのがシャルドネだ。これもフレーバーがニュートラルで味わいのバランスがとれているため、汎用性が高いと考えられる。
「ワイン・ホワット!?」的な提案をさせていただくなら、ひとつの鍋を1種類のワインで通さず、2、3種類並べ、あれこれ試してみること。そのほうが新たな発見に出会えるし、絶対に楽しいはずだ。
カベルネ・ソーヴィニヨン
コノスル カベルネソーヴィニヨン ビシクレタ
ワインの20%をオーク樽で熟成させたこのワインは、芳醇な果実味に加え、バランスのよい酸とキメ細かなタンニンを備えている。
相性のいい鍋/キムチ鍋、すき焼き
すき焼きとの相性では割下の甘さから、メルローやカルメネールに一歩譲るものの、キムトのように酸とスパイシーさが絡み合うものとはベストなマッチング。
メルロー
コノスル メルロー ビシクレタ
シンプルにステンレスタンクで発酵熟成させたメルローは、ジューシーでソフトな口当たり。まろやかな味わいに仕上がっている。
相性のいい鍋/おでん、すき焼き
その芳醇でソフトな果実味が、とろけるように柔らかな霜降り肉と、割下の甘みに調和し、すき焼きにばっちり。おでんの醤油や出汁、みりんの風味とも、意外にマッチする。
カルメネール
コノスル カルメネール ビシクレタ
完熟をじっくり見定めてから収穫されたカルメネールは、凝縮感が高く、ソフトな口当たり。アフターテイストはスパイシー。
相性のいい鍋/キムチ鍋、すき焼き
メルロー同様、ソフトでまろやかさが際立つワインなので、すき焼きにぴったり。七味を少し降ると、スパイシーさが同調。同じ理由から、キムチ鍋との相性もかなり良し。
シラー
コノスル シラー ビシクレタ
コルチャグア・ヴァレーのシラー。全体の60%を樽熟成させ、プラムやスミレのアロマにカカオやペッパーなどスパイシーな余韻。
相性のいい鍋/キムチ鍋、すき焼き
カベルネ・ソーヴィニヨンと同じ結果に。今度はすき焼きに軽く胡椒をふってあげると、ワインとの親密度が深まる。ただし、溶き卵はつけないこと。キムチ鍋にはぴったり。
ピノ・ノワール
コノスル ピノノワール ビシクレタ
コノスルといえばピノ・ノワール。赤い果実のアロマに豊かな果実味。きれいな酸味がチャーミングに彩る。シルキーな喉越し。
相性のいい鍋/おでん、すき焼き
醤油との相性がよいピノ・ノワールは、おでんやすき焼きにぴったり。とくにおでんとはベストだ。意外にもスパイシーなキムチ鍋とも違和感が少ないのは、酸味の調和から。
シャルドネ
コノスル シャルドネ ビシクレタ
シンプルにステンレスタンクで醸造されたシャルドネ。トロピカルフルーツの香りがぷんぷんせず、酸のキレも良好でバランス良し。
相性のいい鍋/海鮮寄せ鍋、鶏水炊き
ニュートラルなフレーバーで味わいもバランスがとれているため、すき焼き以外のどんな鍋とも相性がよい。とくにおすすめは海鮮寄せ鍋。海老やホタテにばっちりだ。
ソーヴィニヨン・ブラン
コノスル ソーヴィニヨンブラン ビシクレタ
きれいなシトラスフレーバーを中心に、ハーブのニュアンスも少し。果実味と酸味のバランスがとれた、フレッシュな味わい。
相性のいい鍋/鶏水炊き、湯豆腐
ギスギスせず、ボディも十分に感じられるソーヴィニヨン・ブランなので鶏にも対応。持ち前のシトラスフレーバーときれいな酸が、ポン酢との調和を生み出す。
ゲヴェルツトラミネール
コノスル ゲヴェルツトラミネール ビシクレタ
コノスルのスペシャリティがこのゲヴュルツトラミネール。ライチやバラ、オレンジの花の香り。酸味のバランスも良い。
相性のいい鍋/キムチ鍋、鶏水炊き
香りの華やかさが鼻につくかと心配したが、クセの強いキムチ鍋なら違和感なし。水炊きや湯豆腐といった繊細な鍋とも、香りが一種のアクセントを添えて楽しめる。
ヴィオニエ
コノスル ヴィオニエ ビシクレタ
ヴィオニエらしく、ピーチやアプリコットのフレーバー。味わいリッチで、穏やかな酸味。口当たり滑らか、スムースな喉越し。
相性のいい鍋/おでん、海鮮寄せ鍋
ベストマッチの鍋こそ見当たらないものの、みりんとの相性がよいのか、おでんにはかなり寄り添う。具材としては練りものとよくマッチ。さつま揚げとの相性をぜひお試しを。
リースリング
コノスル リースリング ビシクレタ
チリ南部ビオ・ビオ・ヴァレーのリースリングは、白い花に白桃のアロマがきれい。ピュアな酸味をもつ、オフドライな味わい。
相性のいい鍋/湯豆腐、鶏水炊き
繊細なリースリングには、湯豆腐や水炊きなど、繊細な鍋料理が一番。シトラス系の酸味をもっているので、つけダレはともにポン酢がよい。海鮮寄せ鍋も許容範囲だ。
この記事を書いた人
この作者の最近の投稿
- LIFE2022年2月27日Astier de Villatte からブランド初のパルファンが発売開始
- TRAVEL2022年2月26日エールフランスのビジネスクラスに乗りたい5つの理由
- TRAVEL2022年2月26日ワイン好きなら選びたい 空の上のワインセラー
- スライダー12022年2月25日明日が楽しくなるサステナブルトピックス