アッチアチの夏を元気に乗り切ろう!
BGMは風鈴の音、甚平姿でハッカ油を首筋に塗り、そうめんやかき氷を食べれば、あら、涼しい。日本の夏は、クールダウンするための工夫にあふれている。
しかし、もっと大事な暑気払いを忘れちゃいけない。グツグツ煮えたぎる、どじょう鍋。これだって立派な夏の風物詩だ。クーラーのない空間で鍋を前にすると汗がジワッ、どじょうを食べ終わるころにはシャツがピッチリと肌にまとわりつき、「もう、どうにでなーれ」とヤケになって暑さなんてどうでもよく……いや、そうじゃない。たっぷり汗をかいて鍋を食べ終わり、屋外に出た瞬間、吹き付ける一陣の風に極上の幸せを感じる。ブラボー、気化熱。
一方、冷房のきいた部屋に長く滞在せざるをえない現代人には底冷え対策が必要だ。体温調節能力がボケて夏バテでダウンする前に、ここはホットな料理で身体に喝を入れるべきではないだろうか。
とはいえ、ひたすら鍋と向かい合って汗ダラダラな状況では、夏バテどころか鍋の熱でダウンしてしまう予感で胸いっぱい。真正のドMじゃない限り、少しはご褒美も欲しいんだよね。そこで、「せ、せめて飲み物は涼し気なヤツを」と欲しがりやさんなアナタには、ひと口で即座に涼を届けてくれる爽快なスパークリングワインをリコメンドしたい。料理がアッチアチ、間髪入れず冷たいスパークリングでシュワッシュワ。ほどよく汗をかいてリフレッシュし、元気に夏を乗り切ろうぜ、エイエイオー!
ワインホワット!?が提案するHOT & COOLなペアリングは2つ、フランス・バージョンとスペイン・バージョンだ。
前者は、フランスの「ロシュ・マゼ シャルドネ・ブリュット」とカスレの組み合わせ。古代ギリシアからワイン造りの技法を早々と伝えてもらって以来、フランスのどこよりもワイン生産地としての長~い歴史を誇る南フランス。その南仏に拠点を構えるロシュ・マゼは、フランス国内での格付けワインブランド販売量ナンバーワン(※)という実力の持ち主である。
フランス泡にはアッチアチのカスレ
骨付き肉にトリッパをプラスで旨味マシマシ 鴨のカスレ
材料:人参、玉ねぎ、ニンニク、オリーブオイル、鴨の骨付きモモ肉(鶏でも可)、トリッパ、白いんげん豆(乾燥)。トマトペースト
(1) 白いんげん豆はひと晩水につけて戻しておく。
(2) オリーブオイルと潰したにんにくを入れた鍋を火にかけ、香りが出たところで粗みじん切りにした人参、玉ねぎを加えて炒め、続いて肉と下処理済みのトリッパを入れる。
(3)(2)にトマトペーストと水を注いで塩こしょうで味付けし、肉が柔らかくなるまで煮込む
そんなフランス人の愛してやまないロシュ・マゼがリリースする辛口スパークリングが、こちら「シャルドネ・ブリュット」。ふんわり柑橘と白い花が香り、スッキリとしたアタックながらシャルドネらしい飲みごたえもある。
南仏を代表するアッチアチ料理のカスレは、肉の旨味と豆のホクホク感がクセになる一品。ふくよかなスパークリングとボリューム感ある料理を揃えたら、もうそこは南仏。「ボンジュール」「セボン」など知っているかぎりのフランス語を呟いて、南仏っ子を気取るのも悪くない(和室にいるときは、妄想力アップのため目を閉じたほうがベター)。
スペイン泡にはアッチアチのアヒージョ
荒ぶるオイル海で絶品タコが舞い踊るたこのアヒージョ
材料:たこ、季節の白身魚(今回はハモ)、芽キャベツ、ニンニク、鷹の爪、塩こしょう、オリーブオイル
(1)芽キャベツは半分に、たこと白身魚は小さめのブツ切りにする。
(2)鍋にオリーブオイルと鷹の爪、スライスしたニンニクを入れて弱火にかけ、小さな気泡が出てきたら(1)を入れて煮込む。
(3)全体に火が通ったところで、塩こしょうで味付けする。
対するスペインのペアリングは、「カステルブラン ブリュット・レゼルヴァ 白」と、たこのアヒージョで決まり。
カステルブランは、1908年に設立されたカヴァ専門の老舗ワイナリーである。パレリャーダ、マカベオ、チャレロ、と続けて読むとおまじないような響きになる地場品種3種がブレンドされた「ブリュット・レゼルヴァ」は、24カ月以上の瓶内熟成で 酵母の滋味が溶け込み、まろやかなお味。気泡がとてもキメ細やかなのは、フランスのシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵の製法によるものだ。
こちらに合わせるアッチアチ料理は、オリーブオイルとにんにくで食材を煮込むアヒージョ。スペイン・バルで提供される小皿料理の定番である。新鮮な魚介が手に入ったら、ぜひシンプルなアヒージョで風味をダイレクトに味わいたい。
ただし、グツグツ騒ぐオイルの海は本気で熱い。猫舌さんは、しばしカステルブランの上質な泡を堪能しつつ、海が静まり凪ぎになるまで待たれよ。おしゃべりに夢中で料理が完全に冷めてしまっても、おいしさは持続するのがアヒージョの魅力。そして、「そういや、汗をかくためのアヒージョだったんじゃ」と本来の目的に気付いたら、横によけておいた鷹の爪を噛みしめよう。頭のてっぺんから、別次元の汗が放出されるはずだ。
暑い季節だからこそ醍醐味が生まれる、寒暖の妙。フランスとスペインの定番スパークリングと気化熱パワーで、アッチアチ料理にトライ!
※IRIFRANCE2018データによるフランス国内全格付けワインブランド別年間販売数量
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