ケンゾー、ナパに本物の日本料理店をつくって
「ケンゾー、このナパに本物の日本料理店を開けるのはあなたしかいないわ」
昨年亡くなったマーグリット・モンダヴィさんは、辻本さんにつねづねこう語っていたという。マーグリットさんは、近代カリフォルニアワインの父、故ロバート・モンダヴィさんの夫人。
戦後の一時期、日本に住んでいた経験があり、知日家として有名だ。そんな彼女の期待に応えるべく、昨年11月、ナパのダウンタウンにオープンしたのが「Kenzo」。奇をてらうことなく、オーセンティックな懐石料理と寿司を提供する日本料理店である。
料理を手掛けるのは、京都と赤坂の菊乃井で料理長を務めた小野山英治さん。
鮮魚は日本から空輸される素材をサンフランシスコの業者を通じて手に入れつつ、米や野菜類は地元産を利用。
水は当初、日本からわざわざ空輸していたが、ワイナリーの湧き水が美味しいとわかってからというもの、出汁を引くにもワイナリーの水を使用しているという。突き出しで出された白和えのワラビもワイナリーに自生しているもの。朝方、料理長自らワイナリーへ赴き、摘んできたのだとか。
もちろん、ここではケンゾー エステイトのワインが全種類グラス一杯から提供され、料理に合わせたペアリングコースも複数用意されている。
残念ながら、心待ちにしていたマーグリットさんはオープンの2カ月前に他界されたが、ここにはナパの名だたるワインメーカーやオーナーが訪れている。ここがナパのランドマークになる日も、そう遠くはないだろう。
Kenzo
住所|1339 Paerl Street Napa, California 94559
電話|(707) 2942049
開店時間|18:00 ~ 21:00 (L.O.)
定休日|月曜
懐石コース$225、寿司コース$225(いずれもサービス料込み)
URL|http://kenzonapa.com/ja/