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ドミニク・ブシェさん、牛肉についておしえてください

フランス流牛肉料理術

塩が肉を焼く? ドミニク・ブシェ流 牛肉調理法

では、フランス流牛肉の調理方法についての助言をいただけますか?

肉の調理法といってもグリルで火を通す、フライパンで火を通す、オーヴンで焼く、揚げる、蒸し煮、ボイル、ソースにつかうなど、いろいろあります。

スネ肉のような硬い肉ならば長時間かけて煮込んで、ポトフにしたりしますよね。フランスの伝統料理、ポトフは大好きで家でよくつくります。いっぽう、フィレやサーロインのようなやわらかい部位ならば、グリル、ポワレ、ロティが適しています。

レストランで好んで調理するおもな部位ということで名前があがったフィレ肉についてもうすこし聞かせてください

ほんの少量のバターをしいて、フライパンで高温でさっと焼く。これが最高です。焼き加減はベリーレア。絶対に焼きすぎないことをおすすめします。

牛肉の焼き方には、2流派あるとおもいます。それは塩コショウを先にしてから焼くやり方と、焼いたあとに塩コショウするやり方。わたしは後者で、経験からいっても絶対におすすめです。

ためしに、生の肉に塩をふってみてください。塩をふったところが白っぽく変色してゆくのがわかるでしょう。なぜか。それは、塩が肉を焼くからです。切り傷のことを考えてみてください。傷口に塩を塗ったら、当然、痛いですよね。しかも、猛烈に熱いと感じるはずです。生肉に塩をふると、塩が肉を焼くというのはそれとおなじです。生肉に塩をふると、焼く前にすでにわずかながらも調理してしまうということです。ですからわたしはこの状況を避けるためにも、塩コショウは肉に火をとおしたあとにふります。

ドミニクさんは、取材時に、調理前のバザス牛に塩をふって、塩が肉を焼いてしまうという実験をしてみせてくれた

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