ピノ・ムニエ比率が高めの2アイテム
紫貴 結論が出たところで、次はピノ・ムニエの比率が高めの2本を。シャルドネ主体よりは酸が和らいでふくよかになりますね。
柳 シャンパーニュを飲み慣れていない人にウケそう。
紫貴 そうですね。ただ、スパイシーさも加わるので、そこを「クセがある」と感じるかも。本当に初心者向きかどうかは迷うところです。
柳 クセの方向性も各メゾンで異なり、「ニコラ・フィアット」(07)はいわゆるスパイシーで、「ペリエ・ジュエ」(08)はよりハーブっぽい。でも、どちらも共通して心温まる柔らかさがあります。
紫貴 その温かみが、気温の下がった真冬のパーティにピッタリです。
07 ニコラ・フィアット
セレクション・ブリュット NV
08 ペリエ ジュエ
ペリエ ジュエ グラン ブリュット NV
シャルドネ、ピノ、ムニエほぼ等分の4アイテム
柳 ここからは、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエがほぼ等分の4本を。
紫貴 安定のおいしさを誇るのは、「モエ・エ・シャンドン」(09)。この造りの上手さはもう認めざるを得ません。
柳 年間に何万本と大量生産しているのに、醸造責任者のブノワ・ゴエズは「いつでもどこでも誰が飲んでも満足できるように造っている」と語っていました。
紫貴 すごい。結婚式など、いろんな人が集まる場所にピッタリですね。
柳 しかも、料理はなんでも合わせられるし。さて、オールマイティなモエ・エ・シャンドンと同じエペルネにメゾンを構える「ポル・ロジェ」(10)はいかが?
紫貴 特別感が出てきますね。分かる人のためのシャンパーニュ。
柳 この熟成感は、玄人好みでしょう。パーティというより、自分ひとりでしっとり飲みたくなるのが、「ジャカール」(11)。
紫貴 あれれ、パーティ向けという大前提が崩れかけてますけど。
柳 春、山菜の天ぷらや菜の花のお浸しと合わせて飲みたいな~。
紫貴 そもそも柳さん、パーティお好きなんでしたっけ?
柳 さっさと帰るタイプ。
紫貴 仕事柄、パーティに出席しすぎだからですよ……。気を取り直し、オールマイティなシャンパーニュに戻りましょう。「ポメリー」(12)は、ややタイトながらも万人向けのスタイルです。
柳 さすが、シャンパーニュで初めてブリュットを造ったパイオニア。
紫貴 この(09)から(12)の4本は、同じようなセパージュながら、違いは確かにありました。
柳 でも、バランスがとれているので、どれも初心者に勧めやすい。ブリュット選びに困ったら、この4本から選べばハズレはありません。
09 モエ・エ・シャンドン
モエ・エ・シャンドン モエ アンペリアル NV
10 ポル・ロジェ
ブリュット レゼルブ NV
11 ジャカール
モザイク・ブリュット NV
12 ポメリー
ポメリー ブリュット・ロワイヤル NV