カール大帝の遠征のとき
マーカス・マチューシカ・グライフェンクラウさんはフランク王国時代にまでさかのぼる由緒正しい伯爵の家柄にして、ヨーロッパの医療財団「TIMA財団」の理事長をつとめておられます。この第28代目グライフェンクラウ伯爵と、犬房春彦博士の出会いが、アルコール代謝を和らげるサプリメント「スパリブ」、その発展系ともいうべきエイジングケア・サプリメント「Twendee(トゥエンディ) X」を生んだのです。その経緯をうかがいました。
マーカスさんはラインガウの名門ワイナリー、シュロス・フォルラーツの創業家のご出身だそうですね。
マーカス はい、私の祖先グライフェンクラウ伯爵はフランク王国の国王カール大帝のライン川沿いへの遠征に同行したときのことです。早春で、ライン川沿いの土地の一部の雪が溶けているのを見たカール大帝が「あの地は日当たりが良く、良いブドウ畑が出来るであろう。グライフェンクラウよ、あそこにブドウを植えてワインを作れ」と命じたそうです。
カール大帝!? いきなり西暦8〜9世紀の西洋史のお話になりました。マーカスさんで何代目ですか?
マーカス 28代目です。すべての家系図が残っていますよ。シュロス・フォルラーツは残念ながら私の叔父が経営に失敗してしまい、1970年代に創業家の手から離れてしまいました。
それは残念ですね。しかしマーカスさんはコニャック地方にドメーヌ・プリヴェというワイナリーをお持ちで、ワインやコニャックを作られています。
マーカス 私の名前を冠した製品を作っています。しかし、正確には私一人の所有ではなく、多くの株主の方もオーナーです。残念ながら昨年亡くなられましたがマンズワイン社長であった茂木信三郎さんや犬房先生も株主になっていただいています。
犬房 茂木さん、まだお若いのに残念です。この場でご冥福をお祈りしたいと思います。
犬房先生はマーカスさんとどうやって知り合われたのですか?
犬房 オンコセラピー(がん遺伝子発現情報を活用した創薬研究)などのバイオメディカルベンチャーを成功させた富田憲介さんからカナダのIT会社投資の案件でマーカスさんを紹介していただきました。2001年10月末にストラスブール大学で講演を行った際に、足を伸ばしてスイスのマーカスさんのご自宅まで参りました。そのとき、駅に迎えに来ていただいたのですが、車に乗った途端に「ハルヒコ、君はワインが好きだろう? mouton82なんてメアドを使うからには、ボルドー好きだろう?」と言われました。それからご自宅でランチをごちそうになりながらワインや葉巻や食べ物についてマーカスさんの奥様も一緒に夕方まで楽しくお話させていただいたのです。
じゃあワインが取り持つ縁だったというわけですね?
犬房 その通りです。それ以降、現在に至るまで最高の友人かつ最強のビジネス・パートナーなのです。
マーカス 2002年にすこしだけですが犬房先生にワイナリーの株主になってもらいましたし、03年には、後に「スパリブ」と名付けたアルコール対策サプリメントの開発を頼んでいます。
スパリブの開発はマーカスさんの依頼によるもので、15年も前から始まっていたのですね!
犬房 そうです。アルコール対策のサプリメントはほかのにも多数ありますが、実は共通点があるのです。ウコンはカレールーを絞ったもの、肝臓水解物は食用にしない豚の肝臓、シジミは乾燥シジミを似た汁、ゴマ製品はゴマ油を絞ったものが原料で、いわゆる副次的な製品です。ウコンやシジミ製品には大量の鉄分が含まれているので健康被害が起こっているという報道もあるようです。そして、アルコールやその代謝産物である毒物のアセトアルデヒドの代謝が進むかどうかの医学的エビデンスも充分にないものがほとんどです。しかし、スパリブの場合は原料で言いますと、例えばコエンザイムQ10はカネカ製など最高品質の物しか使っていません。また、臨床検査試験の専門会社アレグロで有効性試験も行って、効果のエビデンスがあります。副次的製品でエビデンスの乏しい製品とは異なるのです。スパリブの開発には自身や友人たちと何度もワインを飲んで、血液中のアルコールやアセトアルデヒド濃度を測定してきました。
ワイン飲みながらデータを取ってこられた!
マーカス 犬房先生は私が依頼したアルコール代謝の研究を行っているうちに、糖や脂質の代謝を促進するTwendee Xの効果を発見したのです。その後、当時お勤めだった近畿大学を辞めていただき、私が理事長をしているTIMA財団の支援で研究に専念していただくことになりました。外科や臨床栄養学の教授をされていたのですから医学的エビデンスを調べるのはご専門ですよね。
犬房先生、25年も勤められた外科医を辞めるのは大変な決断だったのでは?
犬房 外科医の代わりはいくらでもいますよ。しかし、この研究は私しか出来ませんし、外科医として患者さんを治療するよりも確実に多くの方の健康に寄与できると確信していました。むしろ外科医と同時進行で行っていたガンの研究は、現在の研究の準備期間といえるかもしれません。
マーカス 犬房先生の研究に対する努力は賞賛に値します。すでに多くの患者さんを救っているのですから。今回見せていただいたTwendee Xを飲まれた喘息患者さんのデータは驚異的ですよ。
喘息に効果があるのですか?
犬房 そうですね、現在進行中ですが喘息の患者さん44名のモニターアンケートを株式会社アイズに依頼しています。
グラフはその中間報告ですが、Twendee Xを飲んで喘息発作が起こらなくなった方が約1/4おられますし、発作の回数も劇的に減っていて有効率は90%です。つまり、喘息発作は酸化ストレスが引き金になっているのです。ですから、喘息のある方はお酒も控えめにしてもらうといいですね。
マーカス スパリブを飲めば抗酸化作用があるから喘息の方も発作が起きにくいのではないですか?
犬房 理論的にはそうですが、お酒をたくさん飲むと喘息発作リスクが上がるので要注意です。
マーカスさんはほかにはどのようなビジネスに関わられていますか?
マーカス ドイツのレーゲンスブルグにLYSANDOという薬剤耐性の出来ない抗菌薬開発の会社を所有しています。また、タイにはパームオイルを絞った後のヤシカサから非木材パルプを製造する、Thai Eastern Pulp & Paperという合弁会社を作りました。森林破壊を行わないで紙を作るものです。どちらもお金儲けが主目的ではなくて、世界中の方に貢献できるビジネスだと思っています。
健康と環境、人びとに貢献するソリューションに投資されているのですね。
マーカス 犬房先生にもご協力いただき、多くの方々のお役に立てるビジネスに関わることが出来て幸せです。
本日はありがとうございました。お二人のさらなるご活躍をお祈りします。