![ニコラ・ゴーフロワさん](/wp-content/uploads/2020/05/61052-eyecatch.jpg)
ニコラ・ゴーフロワさん
このドメーヌはムルソーとピュリニー・モンラッシェに12ヘクタールもの自社畑を所有するが、元詰めしているのはそのうちの3〜4ヘクタール分のみ。樹齢50年以上の古木の区画はドメーヌで醸造、瓶詰めし、ほかのブドウはネゴシアンに売却している。
マルクさんに、ニコラさんの代になって何が変わったと尋ねると、「トラクターを変えたくらいで、ほかはなにも変わっていないと思う。でもワインの正確さは増したようだね」といって、にこりと微笑んだ。
ラベルはまだマルクさんの名前のままだが、看板はすでにニコラさんの名前に。
聞くところによれば、ニコラさんが白ワインの醸造で大事にしているのはミネラルを引き出すこと。ミネラルは石灰質の母岩からもたらされるもので、それを引き出すには根が深くまで張り、母岩からミネラルを吸収することができる古木でなければならないのだという。
多くの人がムルソーと聞けば、こってりとし、バターっぽい風味の白ワインを想像するだろうが、このドメーヌのワインはそれら凡百なムルソーとは一線を画す。フレッシュな酸味とミネラルが支配的で、背筋のピンと伸びたスタイル。新世界的なムルソーに辟易してる方は、ぜひ試してみるとよいだろう。
左はムルソー・プルミエ・クリュ・レ・シャルム(2017年は11,900円)。シャルムでも斜面下部のシャルム・ドゥスーの区画。香りは蜜りんご、洋梨、グレープフルーツ。凝縮感もあるが水平方向ではなく垂直に伸びる。右はムルソー(2017年は7,800円)。ミルラン、レ・ゴルジュ・ド・ナルヴォー、レ・クルーの3区画をブレンド。これまたシャープでミネラリーな味わい。