彼のワインをひと口味わえば、その理由がわかる。ジュヴレ・シャンベルタンならではの威厳を保ちつつ、タンニンがきめ細かく、舌触りのなめらかなワインを造るのだ。
昨年、収穫が始まるわずか5時間前に新しい醸造施設と地下セラーが完成。区画の大きさに合わせたステンレスタンクのおかげで、「以前より精密な醸造ができるようになった」とシャルルさんの顔がほころぶ。
ジュヴレ・シャンベルタンの北側の丘に、シャンポー、エストゥルネル・サン・ジャック、カズティエ、ラヴォー・サン・ジャックと、素晴らしい一級畑を4つ所有するドメーヌ・アンリ・マニャン。なかでもカズティエは斜面の上から下まで1・47ヘクタールの広さを誇り、異なる4つの土壌すべてを網羅する。いわばカズティエ中のカズティエだ。
またこの4つの一級畑で収穫されたブドウのうち、それぞれ最上の房のみ80キロ分を集めて醸造した、「キャトル・キャラクテール」というワインをひと樽分だけ造っている。
昨年から畑を借り、アロース・コルトン一級のクティエールと特級コルトン・グランド・ロリエールも醸造。「今はまだテロワールを学んでいるところ」と、謙虚な姿勢で挑む。