ウニクム+オランジェット
ハーブとオレンジ+チョコの美味しく香りもベストマリアージュ
ウニクムのハーブやスパイスの香り高く、そのボタルニカル感はオレンジが持つフレッシュな酸味と甘味とうまく調和する。ナイトキャップの1杯にオランジェットは最強のパートナー。今回のオランジェットはベルギーチョコレートの老舗「レオニダス」。
ウニクムは18世紀末のブダペストで誕生した薬草酒
ハンガリーの国民酒として地位を確立している、ウニクム。トルコの支配から離れハプスブルク帝国に併合されていた1790年、ブタペストで誕生した薬草酒だ。
ブタペストはハンガリーの首都で、ローマ帝国時代にアクインクムという名の都市として整備されて以来の長い歴史を持つ。一帯の中心地であるがゆえに戦争の影響を受けることも多く、第二次世界大戦時にはウニクムの工場が破壊。さらにハンガリーが共産主義国となり、工場は国に接収されてしまう。
そこで、ウニクムを手掛けるツヴァック家は、秘伝のレシピを抱えてアメリカのニューヨークへ。
共産主義崩壊のタイミングで40年ぶりにハンガリーへ戻ったツヴァック家が、激動の時代を乗り越え200年前のレシピ通りに造っているのが、今日のウニクムである。
食前や食後に、ショットグラスで1杯。ハンガリーで見かけるウニクムの飲み方は、ストレートが定番だ。ボトルに記された十字マークは、ハンガリーの貴族たちに薬酒として愛された証。独特の苦味が口中と胃をキュッと引き締めてくれる。
一方、その苦味が味わいに深みを与えるとして、とくに創作系カクテルの世界で注目を集めてきた。
複雑な苦味の理由を知っているのは、ツヴァック家の一部の人間のみ。なにしろレシピは一子相伝で、原料のハーブやスパイス、その分量は門外不出。開示された情報は、ジンジャー、アニス、オレンジピールが使われているらしい、ということだけだ。
「ユニーク」を意味するウニクムは、皇帝ヨーゼフ2世がこの酒を初めて飲んだときに発した言葉だと伝えられている。現代に生きる私たちも、ウニクムを口にした瞬間、18世紀の皇帝と同じ気持ちになれるはず!
バーテンダー川瀬彰由さんのスペシャル提案
ウニクム+金柑
金柑の酸味が優しい特性カクテル
金柑を2~3個、種を取り除き皮をジューサーに入れ、氷2つくらいソーダー水45mlをジューサーにかけて攪拌して、ソルベ状にする。グラスに注ぎ、ウニクムを20mlほど注ぎ一混ぜで完成。金柑はオレンジジュースを代用してもOK。ウニクムの苦味を感じたければ量を増やして調整。
ウニクム+コーヒー
苦味×苦味はまろやかさの方程式
熱いコーヒーをカップ一杯用意。そこにウニクム15~20ml注ぐ。ナツメグパウター(あるいはシナモン)を上からふりかける。苦味を打ち消し合い、ナツメグの独自の風味が心を落ち着かせてくれます。また、ホットウイスキー(ホットブランデー)に同じくウニクムを注いでも美味。
協力していただいたお店「バー・ラ・ユロット」
ウニクムの問い合わせ:国分グループ本社 tel.03-3276-4125 www.kokubu.co.jp