シャブリだけじゃない
オーセールの周囲で、最も有名なワインの産地はなんといってもシャブリ。
しかし、シャブリのさわやかなシャルドネを特徴づけるとされる、ジュラ紀後期の地層、キンメリジャンとポートランディアンはシャブリだけのものではない。今回訪れた、サン・ブリとイランシーは、シャブリのすぐとなり。いずれも村名アペラシオンで、大きくはグラン・オーセロワという枠組みに入るけれど、サン・ブリではソーヴィニョン・ブランとソーヴィニョン・グリを、イランシーではピノ・ノワールとセザールを育てている。「いったいいつからブドウを育てているのかわからない」というほどに古くから続き、この地域のシャルドネ以外の伝統品種がある、グラン・オーセロワを垣間見るところから、今回の旅ははじまった。