Château Lagrange 〜Saint-Julien〜
日本の職人技の誇り
サンジュリアンの名門シャトー
「シャトー・ラグランジュ」は、かつての所有者ラグランジュ・モンテイユの名に由来し、その歴史は古く、17世紀頃のワイン地図に記載されている。1842年にデュシャテル伯爵が所有者となり、1855年のメドック格付けで3級に格付けされた。
しかし、その後は所有者が数多く入れ替わり、シャトーは荒廃し評価は極めて低いものになる。ブドウ畑も館も悲惨な状態で、シャトーの再生が最優先課題だった。
そんな状況下、1983年に日本企業であるサントリーが欧米企業以外で初めて買い取った。当時としては画期的な事件で、ワイン業界では大きな話題となる。
それを可能にしたのが、ラグランジュの顧問に就任した“現代ボルドーワインの父”エミール・ペイノー博士と彼の門下生だったサントリーの鈴田健二氏らの再生チームだった。彼らが畑から醸造所、荒廃したシャトーまで徹底的な改革を行い、ラグランジュは復活を遂げ、世界に認められるワインへと成長して行く。
シャトー・ラグランジュのロゴが記された美しい正門を通り広大なブドウ畑を抜けると、森の中から忽然と白亜のシャトーが姿を現す。ワインの品質が向上しただけでなく、ラグランジュは手入れされた静かな庭や、白鳥やカモが集う湖がある壮麗なシャトーとなったのである。
現在は、マティウ・ボルド社長と鈴田氏から受け継いだ椎名敬一副会長の下、ラグランジュの持つテロワールの限界に挑戦する創造のステージに進み、さらなる品質向上に取り組んでいる。