樫の木から造った樽
このワイナリーに行ったら、ぜひ地下のセラーを覗いてみて欲しい。
大きな樽が横倒しに並べられている、そのありように驚くに違いない。
「ペルグリニー・ヴィンヤーズ(Pellegrini Vinyards)」はワインの製法に強いこだわりをもっている。
アメリカ産とハンガリー産の樫の木から造った樽の中にワインを入れて醗酵を待つ。
地下のセラーでは、常に華氏60度と湿度60%が保たれている。これが水蒸気量を最低限に抑え、ワイン熟成に最も適したコンデイションを造りだす秘訣だ。
メルローとカベルネ・ソーヴィニヨンはボトルに移してから、さらに最低1年以上寝かせた後、市場に送られる。
シャルドネも、ブドウと樫の木が調和して最高の状態を迎えるまでは、ボトルに移さない。
1982年の創業以来、彼らは土壌の管理にも力を入れてきた。
加えて、ロングアイランドでは最初に、またアメリカ全土でも極めて珍しい「ステンレス・パンチ・ダウン」と呼ばれる圧縮機を使い、苦味と渋みを抑えながらも、深く綺麗な色とソフトなサンニン酸を抽出することに成功した。
それがセラーでゆっくりと熟成され絶妙な味を醸し出す。
彼らは言う。「ワインを醸造するには何百ものことを考慮しなければならない」と。
2007年のヴィンヤード・リザーブには69.99ドルの値がつけられていた。ワイナリーでこれだけ高価なワインはあまり見つけられない。多くのワイン通が「ワインの値段は味に比例する」と言うように、彼らの努力が味となり見事に具現化されている証拠だろう。
今、地下のワインセラーでは、絶妙の味を育みながら、高価な値段がつけられるであろうワインが静かにその時を待っている。
今回紹介したワイナリー
Pellegrini Vineyards
23005 Main Road, Cutchogue, NY 11935
取材協力:
ホクトインターナショナル www.hokutonyc.com
Eメール:info@hokutonyc.com