ヤンチャな曾祖父から続くバニュルスの老舗ワイナリー
「下の樽は1987年物」「この樽の中身はゆくゆく日本へ運ばれる予定」と積み上げられた樽を指さし丁寧に解説してくれたのはオリヴィエ・サペラさん。曾祖父の代から120年続くヴィアル・マニェレスの当主である。
看板ワインは、サペラさんが「まさに家族の血」と表現するバニュルス・ランシオ「アル・トラゴー」。いいヴィンテージのワインだけを使い、20
年以上樽熟成。。また、太陽の熱に晒すことで、クセのあるチーズに合わせても負けないほどインパクトのある複雑な味わいに仕上げている。ワイナリー名より、こちらの商品名のほうが世間で知られているそうな。
ほか、熟成年度や使用品種の違いでバニュルスを数種類造り分けているが、バニュルス以外にもオーソドックスなAOPコリウールを手掛けている。
赤「レゼスペラード」は、グルナッシュ・ノワール主体でパワフル。ワイン名は、漁師の妻たちが海を眺めて亭主の帰りを待つ岬の名である。海辺の畑で育つグルナッシュ・グリ主体の白「アルメン」は、塩のニュアンスと透明感を持つ。
サペラさん曰く「灯台守をしていた曾祖父が上司の奥さんとデキちゃったもんで、ブルターニュの灯台に飛ばされてね。そっちの灯台の名前がアルメンなの、
ハハハ」…… 幾分かファンキーな命名理由だった。