Château Lafite Rothschild 〜Pauillac〜
“王のワイン” ラフィット
ロスチャイルド家の5本の矢
「ラフィット」という名称は、古いガスコーニュ語でポイヤック村の“小高いところ”を意味する“ラ・イット(La Hite)”に由来する。銘醸ワインの造り手としての評価が高まるのは、17世紀にセギュール家によってブドウ畑が整備されてからだ。後継者のニコラ・アレキサンドル・ド・セギュールによって、ラフィットとラトゥールの領地は統合され、偉大なワイン造りの歴史が開かれた。
現在のラフィット・ロートシルトの運営主体はDBR「ドメーヌ・バロン・ド・ロートシルト」の名の企業体で、デュアール・ミロンやシャトー・リューセックも傘下に収めている。
見所のひとつに建築家リカルド・ボフィルの設計による円形の地下育成庫がある。天井ヴォールト部分は16本の柱で支えられ荘厳で広々とした空間が広がり、2,200樽の収容能力を誇る、世界初の円形樽ストックだ。
ロスチャイルド家の紋章は“ロスチャイルド家の5本の矢”と呼ばれ、ロスチャイルド家の祖であるマイアー・ロスチャイルドの5人の家系を象徴した5本の矢が、ひとつに束ねられた図が描かれている。それぞれの息子たちは欧州の5都市に配置され、銀行業などで事業を拡大させていく。
その後、ロンドンの三男ネイサンはムートンと関りを持ち、パリの五男ジェームズは、1868年に競売に掛けられたシャトー・ラフィットを手に入れ、新たな所有者となる。ラフィットは“王のワイン”という名声を得、今日のメドックを代表する隆盛はご存知の通りである。