期待高まるワイナリーの新設
ついに来たという感じのニュースだ。ワイン好きの人たちの多くが期待していた展開ではないだろうか。
「シャトー・メルシャン」は、ブドウの産地にこだわり、その個性を生かすワイン造りをしてきたワイナリーだ。ワイン用ブドウの栽培に適した産地を確保・育成し、その地にふさわしい品種の栽培に取り組んできた実績がある。今回、そのブドウ畑にワイナリーを新設することで、産地ごとの多様なブドウの個性を、さら生かしたワイン造りをできるようになるはずだ。これは期待するなという方が無理だ。
シャトー・メルシャンのワイナリーは3つに
今回、ワイナリーを新設する長野県の塩尻市と上田市の畑は、シャトー・メルシャンの自社管理畑。開園当初より、行政や地域の支援も受けつつ、ワイン用ブドウの産地として育んできた。
塩尻市の桔梗ヶ原では、主に「メルロー」を栽培しており、「シャトー・メルシャン」のフラッグシップワインともいえる「シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原メルロー」を生み出している。上田市丸子地区にある「椀子(マリコ)ヴィンヤード」は、メルシャン最大の自社管理畑。ここで収穫されたブドウで造られた「マリコ・ヴィンヤード」シリーズのワインは、国内外から高い評価を獲得している。
桔梗ヶ原ワイナリーは、2018年9月に、椀子ワイナリーは2019年秋にオープン予定。2018年6月にリニューアルする勝沼ワイナリーと合わせて、長野県にシャトー・メルシャンのワイナリーは3つになる。ワイナリーツアーの楽しみも増えるというものだ。
3つのワイナリーの概要と特徴
3つのワイナリーには、それぞれ役割を持たせ、日本ワイン及び「シャトー・メルシャン」の価値を、お客様により広く、より深くお伝えしていくようにすると言う。
シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原ワイナリー
1938年に開業した「塩尻セラー」の建屋を生かし、醸造設備を新設。日本ワインの品質向上に貢献したブドウ産地を起点とするガレージワイナリー(車庫のような小規模のスペースで高品質なワインを造るワイナリー)。
シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー
椀子ヴィンヤードの一角に、畑から醸造まで全てを体感できるブティックワイナリー(見学・直販機能を備え、中規模かつ品質志向をもつワイナリー)。
シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリー
現行の「シャトー・メルシャン」から名称変更。醸造エリアに見学ルートを設定し、「見学できるワイナリー」としての機能を高める。「シャトー・メルシャン」の玄関口となる、ワイン初心者も楽しめるワイナリー。