100年つづけられるカリフォルニアの最先端農法とは?
サステイナブルなワイン造りのこれまでとこれから
カリフォルニアワインのキーワードとして、つくり手のあいだで普及しているのが「サステイナブル」という言葉。
基本にあるのは、環境を保全しながら、末永くワインをつくろうということだけれど、真面目なワイン造りが、プラスαの価値をもちはじめている。
具体策についてはこちらを参照してください。
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ひとつだ、というのは、州全体を対象としたCSWAのほかにも、ローダイ地区やナパ地区、セントラルコースト地区など、おもたるワイン生産地にはサステイナブルなワイン造りのための団体があり、さらに水や動植物の保全を目的とした団体や各種プログラムも存在し、ワイン造りと関係しているからだ。また、オーガニックやビオ・ディナミの認証団体も、広義にはサステイナブルなワイン造りの推進と無縁ではない。
ナパ地区のプログラム「ナパ・グリーン」であれば、ワイナリーの活動が、ナパ河の水と生態系を壊さないようにすることが重要視されている、など、地域ごと、プログラムごとに個性があるけれども、これらの団体の基本的な考え方は共通している。
ワイナリーやワイン畑の経営、運営、管理には、もちろんそれぞれの会社や技術者のノウハウがある。しかし、地域環境を考えた場合、自然はつながっているから、ここからここまでがA社の責任、ここからはB社の責任と、簡単に切り分けることはできない。
水を節約する技術、薬品をつかわずにブドウを育てる知恵、電力消費を減らすための方策といった知見を共有し、従業員や周辺コミュニティとの良好な関係性の構築や、動植物との共生といった問題を、各ワイナリーや畑の個別の問題としないことが、これら団体に共通する基本的な考え方だ。
さもなくば、おいしいワイン造り以前に、カリフォルニアのワイン造りというビジネスが歴史と伝統のあるものにならない。
運命共同体
CSWAにかんしていえば、2002年に、州内各地で実践されていたサステイナブルな活動をまとめ、誰もが閲覧できるガイドラインとした書物「業務便覧(コード)」を作成。以後、改定がなされて現在は2015年に更新された第3版が使用されているけれど、ここには140の畑での実例、104のワイナリーでの実例が、テーマごとに記されている。また、毎回テーマをもうけての勉強会も2002年以来550回以上開催している。
さらにCSWAでは、「カリフォルニア・サステイナブル・ヴィンヤード&ワイナリー認証(CCSW)」という認証プログラムも2010年に立ち上げていて、2016年では、カリフォルニア全体の18パーセントのワイン畑と全生産量の65パーセントのワインがこの認証を獲得した。認証まではとっていないけれど、CSWAの「コード」を利用して自己改革を実践しているワイナリーや畑は全体の約70パーセントにおよぶ。
前述のとおり、カリフォルニアにはCSWA以外の認証プログラムもあるし、ひとつの畑やワイナリーが複数の認証をとることもできる。
ナパ地区では、全435軒あるワイナリーあるいはワインブドウ畑の半数がナパ・グリーンの認証プログラムに参加していて、2020年までにこれを100パーセントにするという目標がナパ・グリーンにはある。
まとめてみると、カリフォルニアのワイン業界の過半数が、なんらかの、サステイナブルな農業のプログラムにかかわりをもっていて、その数は今後さらに増える見込みなのだ。そして、昨年末、CSWAがまとめたところによると、いまやアメリカのバイヤーたちの73パーセントが、どうせなら、サステイナブルワインを仕入れたいと考えているとのことで、そもそもは販売上の付加価値としての活動ではないものの、結果的に市場での競争力まで獲得した。2018年にはCCSWのロゴをつけたワインが市場に登場する見込みだ。
もはや、カリフォルニアワインとサステイナブルなワイン造りは切っても切り離せない。
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