
塩尻ワイン大学とは?
塩尻市のワイン産地維持と地域ブランド強化、ワイン産業全体の活性化のために塩尻市が開講した講座。醸造用ぶどうの栽培やワイナリー設立を目指す方を全国から募り、栽培技術・醸造技術・経営手法などを習得する機会を提供し、人材の確保と育成を図っている。これからワイナリーを始めたいと思っている参入予定者にとっては正に夢のような学び舎である。既に第一期生の中からワイナリー設立した者もおり、近年の開業予定者も数名に及ぶ。平成26年春に第一期生が入学し、4年間の開講中は次の募集が無く、次回開講するかどうかも未定とのことだったが、平成30年3月に第一期生の卒業後、二期生の募集があり、筆者が応募して幸いにも合格した。
なお、第一期生が開業した市内11番目となる新しいワイナリー「いにしぇの里葡萄酒」(同市北小野)は、秋に収穫したブドウで初めて醸造し、第一号のワインを発売している。同市大門でワインバー「ブラッスリーのでヴァン」を経営する稲垣雅洋さんが塩尻ワイン大学出身のワイナリーオーナーである。
ガイダンス~入学まで
平成30年4月14日に、塩尻ワイン大学の入学ガイダンスが行われ、筆者も特急あずさに乗って東京から出かけて参加。たくさんの応募者が聞きに来ていて、関心の高さを実感することになる。
産地の維持と地域ブランド力の強化を図るため、全国から意欲ある受講生を募り、日本ワインをけん引する人材を養成する「塩尻ワイン大学」。学長はかの有名な遠藤誠氏。平成26年度から開講し、4年間の学びを終えた第1期生25人が既に卒業している。平成30年3月の卒業式では、遠藤誠学長から卒業証書、小口利幸市長から市が独自に設けた「塩尻市ブドウ栽培・ワイン醸造マイスター(Shiojiri City Certified Viticulture and Wine making Meister)」(略称SCVWM)の認定証が授与されたほか、記念品として、木曽平沢の漆塗り職人で、蒔絵師の荻上文峰さんが1本1本蒔絵を施したソムリエナイフも贈られたとのこと。
4年間かけて、実践的な醸造用ブドウ栽培技術とワイン醸造技術、ワイナリー経営手法を専門家から学んできた卒業生に続く第2期生になれるかどうか、不安なまま意気込みだけでガイダンス会場の一番前センターに座ってみた筆者。「ウスケボーイズを知っている人、どのくらい居ますか?」との質問に思いっきり挙手をしてみたり、センターでアピールしつつ、名乗ることもなく不安なままガイダンス修了。
合格通知
不安なまま、待つこと数週間。聞いていた通知予定時期を過ぎても届かなかったため、思いきって塩尻市に電話をしてみた。「あの~、もし不合格でも通知はいただけるのですよね?」と質問してみる。「はい、選考中です」とのこと。おそらく翌週の通知になるそうで、その後は一日に3回ほど、ポストを見にウロウロして落ち着かない毎日。そうこうするうちに、やっと届いた封筒を開けるにも躊躇。勇気を出して開封すると、そこには夢にまでみた合格通知が!選定経過を読むと、選定委員による第三次審査まであり、選定委員は、県普及指導員・市職員・オブザーバー・県技術員・市内栽培家などである。筆者が最終選考まで残れたのは奇跡的だが、とにかく、やったー!!
塩尻ワイン大学開講式
平成30年5月26日に開講式が行われた。始めに学長の遠藤誠氏による学長講義があり、これからワイン造りの学ぶことへの心構えをアドバイスいただく。合格者は22名。当日に初顔合わせで集まった入学者は皆、合格の喜びではしゃいでいる。
全員、順に自己紹介をしていき、それぞれが既にワインの専門家であったり、既にワイナリーで働いていたり、自力で葡萄を育て始めたりしている玄人なのを知り、怯える筆者。こうなったらひたすら、頑張るしかない!
その後は、場所を移しての懇親会。塩尻市にあるワイナリーのさまざまなワインを皆で歓談しながら楽しんだ。いつか、この懇親会で自分の造ったワインが並ぶ日もあるのだろうか。
これから、少しずつ私が受講して思うことや、感じたことをレポートしていくのでお付き合いをいただきたい。