若くして国際的なコンクールで多くのメダルを獲得し、その独創性と陽気な人柄から多くのファンがいるブルガリアの俊才オーナーシェフ、イバイロ・ペトコフ率いる「LAZY・レイジー」もそのうちの一つです。ペトコフは特別な食材よりも普段使いの食材を多く用い、工夫を凝らして魅力的な一皿に変えるのが得意で、インパクトのある出来映えとは逆に目立たない細部にまでこだわって創作料理を仕上げています。
今回、ブルガリアトップワイナリー・カタルジーナとのコラボで、ワインの特性とイメージからペトコフがメニューを考案しました。
ワインはカタルジーナの代名詞にもなっている「クエスチョンマーク」のゴールド。カベルネソーヴィニヨンとメルローのブレンドです。
ベリー、カシス、チョコレート、モカの味わいとアロマ、完熟葡萄のしっかりしたストラクチャーながら繊細なシルキータッチのインパクト。ジューシーさも感じられバランスがよく余韻も非常に長いエレガントはフルボディです。
このワインに合わせるメイン食材としてペトコフが選んだのが、ラム、トリュフ、ポルチーニ。それにホウレンソウ、オレンジ、サフランなどをトッピングとして使います。
トリュフとポルチーニはリゾットに入れ、ホウレンソウのグリーンとオレンジを色彩のアクセントにしています。ラムチョップの香ばしい装いと共にサフランの赤が映え、クエスチョンマークゴールドのエレガントな金色のラベルがプレートと一体となりゴージャス感を演出します。隠し味にココナッツキャラメルを使い、味覚の広がりと特別な味わいを醸し出しています。
ワインと同じく絶妙なバランスを考えて作られたシェフの一皿は「季節の移ろい-初夏から秋をイメージして」と名付けられました。
ワインから広がるイマジネーションが次々と湧いてくるペトコフシェフは、美しいヴィトシャ山を見ながら今日も新たな一皿に取り組んでいます。