家族全員でジンギスカンパーティ
家族で囲むジンギスカン
肉が焼ける音と一緒に盛り上がってきました、久しぶりに会う家族の会話って面白いですね。地元トークから始まり、町政の話から、姪や甥の勉強や恋愛の話、中盤付近では大体、日本の教育の話になります。そして宴もたけなわになると、政治です。トランプ大統領から、北朝鮮関連の国際政治まで話が拡がります。
酔っぱらうと、人はグローバルな政治家になってしまうのでしょうか?(笑)>/p>
さて、そんな首脳会談中(!?)のテーブルに満を持して出されたワインが、今回の「松原農園2015」ミュラートゥルガウ。ドイツ系品種から作られた白ワインです。
この品種は飲んだことはありますが、このワインを飲むのは初でした。
姉から聞く話によると、このワイン生産者の松原さんは、ずっと昔からこのワインを地元で作っていたそうです。灯台下暗しとはこのことです、失礼しました。私としたことが、酷寒の北海道の雪道ばりに、完全にスルーっとしていました。
すいません。(笑) アイスバーンのように滑ってしまいましたでしょうか・・。
気を取り直します!
早速、「松原農園」ワインをいただきます。陽気で華やかなトロピカルな香りがはっきりと漂います、香りはしっかりと採れます。エレガントというよりキュート。いわば、可愛らしい小学生の姪ってとこです。
これぞ、食卓に寄り添える「テーブルワイン」
ドライでしっかり余韻の長い酸が何にでも合いそうなそんなワイン。うん、確かにこれはカジュアルで飲みやすいテーブルワインです!
このワイナリーのWebサイトも見ましたが、良質の「テーブルワイン」を追究し、このワインに辿り着かれたようです。
↓松原農園
http://www.matsubarawine.com/Matsubarawine/
Home.html
今回の私のように、家族全員、兄弟も大集合し、その子供までもが集まってみんなで夜ご飯をする機会となれば、やれこれを食え、この煮物も美味いだろとか、やっぱり北海道だからジンギスカンだろ、この肉はなかなか東京じゃ買えないぞとか、米食ったか、このおにぎりは美味いぞ~とか、実に色々忙しいのです。(笑)
そんないわば「カオス」な食卓になります。そんな中でこのワインは、香りは秘かに主張しつつ、色々な食べ物に寄り添おうとする優しい酸を持ち合わせたワインです。
食卓のどんなものとでも合うって大切なことだと思います。何を食べようが飲む度に強くリセットしてくれ、なんでも来い的な「スーパードライ」のビール、それはそれでもちろん好きですが、家族の「食べさせたい想いに寄り添い、ドライで優しい酸が食卓を繋ぐ、そんな優しさを伴ったこのワインも素敵だと思います。また「ワイン」という言葉が、田舎にちょっとしたハレの瞬間を演出しますから。
それを感じようと思う人にだけ、このワインの優しさは開かれるのかもしれません。家族との食卓というものを考えさせられる、そんなワインにも感じました。
こんな近くに存在していたのに、今までなぜ出会えなかったんだろうかと思います。そういうことってありますよね、ふと、吉野弘 「虹の足」 の詩の一節を思い出します。
~前略~
そんなこともあるのだろう
他人には見えて
自分には見えない幸福の中で
格別驚きもせず
幸福に生きていることが――。
帰省する田舎がある、家族の団欒がある、食事を囲むテーブルがある、家族兄弟みんなでお酒を愉しめる、当たり前のようで当たり前じゃない、「幸せ」とはそういうものだと改めて感じさせられた瞬間でした。
そんな「幸せ」というものを考えさせてくれた白ワイン。このワインは、良質な「テーブルワイン」であり、私にとっては実家への「帰省」のあたたかさを感じるワインになりました。
いい父の一周忌になりました。
地元の駅風景
この記事を書いた人

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東京都内で働く30代サラリーマン。(J.S.Aワインエキスパート)
忙しい毎日の中で、お酒について見つけたこと、感じたこと、好きなこと、愉しかったことなど、ワイン×ライフスタイルを中心テーマに、徒然なるままに色々なことをリーマン視点で、提案していきたいと思っております。
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