2種のリースリングの飲み比べ
深夜まで営業しており、同業者も店を閉めてから通うという。
「ソムリエがいないので、全員で料理とのマリアージュを実践して、よかったらワインリストに入れます」と語る吉田佑真(ゆうしん)シェフ。こうして吉田シェフの直球のフランス料理に合うフランス産を中心にしたワインリストが出来上がり、アルザスは常時2〜3種類オンリストしている。
バイヨンヌの生ハム、モモ、スモモ、ブッラータチーズに合わせたのは『リースリング 2018年』(ドメーヌ・リーフレ)。
「このワインは酸味が柔らかで後味に果実味を感じるので、フルーツの甘味や酸味、ブッラータの甘味や黒コショウに合います」と吉田シェフ。
もう1本の『リースリング 2016年』(ドメーヌ・アルベール・マン)は「酸がしっかりめで、すっきりして切れがある。そこで帆立貝、グリーンアスパラガス、ナスをマスタードの酸味と柑橘類の酸味で合わせてみました」。
帆立貝の旨味、トロトロに焼いたナスがマスタードとオリーブオイルのソースをまとい、辛口リースリングが心地よく響いてくる。
吉田シェフは「レストラン・キノシタ」を経て、表参道の「ビストロ・ル・マン」(当時)でシェフを務め、2019年1月に独立した。前菜は1000円以下、メインもほぼ2000円以下というコストパフォーマンスの高さも注目の店だ。