素材と響き合うリースリングとピノ・グリ
パリ本店も含めて17年間、ピエール・ガニェール氏のもと感性を磨いてきたエグゼクティブシェフの赤坂洋介さん。
「ガニェール氏の料理は年々味わいも、盛り付け方もシンプルになっています。ただし、その中にも必ずアクセントがあります」と赤坂シェフは師の進化について語る。
左からエグゼクティブシェフの赤坂洋介さん、アシスタントマネージャー兼ソムリエの杉本康隆さん
秋の新作1品目の主役は毛ガニ。蕪のコンソメをからめた毛ガニにセロリとウニを添え、ライムの皮の風味をアクセントに。小さな毛ガニのムースは、シャンパーニュのジュレで酸味のコーティングを施している。これには『リースリング・クロ・ヴィンスヴュール2015年』(ドメーヌ・ツィント・フンブレヒト)を合わせて。
(手前)蕪のコンソメでリエした毛ガニ、ウニとセロリの新芽を添えて
(奥)毛ガニのムースのタルト/ リコッタチーズ/ オシェトラ・キャビア
(コースより)
「このワインの果実感は甲殻類や野菜の甘味と、しっかりした酸味はライムの皮やキャヴィアと合います」とソムリエの杉本康隆さん。
左から『アルザス・グラン・クリュ・メンヒルベルグ・ピノ・グリ 2016年』(マルク・クライデンヴァイス)ボトル15000円、グラス3000円、『アルザス・リースリング・クロ・ヴィンスヴュール 2015年』(ドメーヌ・ツィント・フンブレヒト)ボトル20000円
2品目は熟成豚の香ばしいグリエ。イカやキャベツといった異なる食感を添え、アンチョビで塩味を加えた甘めのビガラードソースをからめている。これには力強い味わいの『アルザス・グラン・
クリュ・メンヒルベルグ・ピノ・グリ 2016年』(マルク・クライデンヴァイス)がお勧め。
アンチョビの香るビガラードソースで絡めた群馬産嬉嬉豚ロース40日熟成肉のグリエ、烏賊のポワレ、人参のブレゼを添えて、コリアンダーの香る豚耳と才巻海老のサラダ仕立て(コースより)
「このピノ・グリはふくよかな果実味とミネラル、酸味がきれいに出ており骨格がしっかりしているので、白身の肉と同調します」
ワインのアフターの苦味もこのソースと相乗効果を発揮し、ガニェール流による豚肉との楽しいペアリングとなっている。