凄腕のパエリア職人チーム
今回の巡礼地は北の大地、北海道は札幌だ。店名は「バル・エスパーニャ」。ここには凄腕のパエリア職人チームがいるという。
全国20店の精鋭が集まり、スペインで行われる世界選手権出場の切符をかけて本場バレンシアーナ・パエリアの腕を競う日本予選で2年連続優勝。
続くご当地の食材を使ったオリジナルレシピで競うという、代々木公園で開催された「全国パエリア選手権」でも地元・北海道の山海の幸を見事にパエリアとして表現。1万人を越える来場者から絶大な支持を受け優勝。
本場の味の再現性を見る厳しい審査での日本予選、一般の方の投票によるオリジナリティある大会、そのどちらでも優勝するというのだからその腕と発想の素晴らしは疑いの余地がない。さあ、北のパエリア職人がドン・ロメロと出合って生み出すパエリアはどんなものだろうか。
3種の牡蠣のパエリア。それが、この冬、北のパエリア職人チームが選んだスペシャリティだ。
プロデュースしたのは、全国を制したメンバーである酒井基嗣店長と、竹内将仁シェフ。3種の牡蠣は、塩味と旨みのバランスがいい厚岸産、バターのようなコクと舌ざわりの釧路・昆布森産、そして小ぶりで凝縮感があるサロマ産。
竹内シェフは「どれも火が入っても濃い。それぞれのキャラクターが存分に楽しめます」と自信たっぷり。
実は、この中の厚岸産は、酒井店長のお父さんが育てたもの。普段でも「酒井さん家の生ガキ」がメニューにオンリストされ人気だそうだ。
そう、お二人とも北海道産の牡蠣のプロフェッショナルなのだ。
ビール王国という感もある札幌だが、牡蠣、パエリア、カヴァの三位一体は格別なのだ。北海道を知り尽くし、スペイン料理として表現する。そこにお酒の楽しさ、会話の楽しさを大切にする。それがバル・エスパーニャ。
「うちの料理にもあう。しかもいつの間にか1本飲めてしまう楽しさがあります」と酒井店長。
白ワイン「ドン・ロメロ・ブランコ」は爽やかな白だが「むしろ濃いものでもいける」(酒井店長)ということで、冬の北海道ならではの濃厚な美味、根室産のタチをムニエルで。
野イチゴを思わせる風味を持つ「ドン・ロメロ・ティント」には、赤身の美味しさと優しくとろける脂が自慢のふらの和牛をシンプルにあわせて、札幌にいながらにして富良野当たりのオーベルジュで楽しんでいるような空気感を演出。これもいつの間にか1本飲んでしまうのではないかという軽やかで飽きの来ない組み合わせ。
いつの間にか気分が良くなり、大いに食べ、飲み、語らいたくなる。これが北の大地の嬉しい怖さだ。
満腹、満足。今宵はここまで。
さあ、ドン・ロメロ、ミスター巡礼とともに、次はどんな食とワインの冒険に出かけようか。
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