飲み頃ワインが手に入る
レストランでワインが美味しいのは、料理と合っているから。そして、飲み頃のワインを適切な温度で、適切なグラスで出してくれるから。
1973年から、三ツ星を守り続けるパリの名門レストラン「タイユヴァン」は、料理も一流ならワインも一流。世界750のワイナリーのワインを取り扱い、生産者との関係も長く、深く、30万本以上のワインを保有し、フランスで一番おおきなカーヴをもっている。そこには、何年もかけて、熟成するワインもある。カーヴには番人であるキャヴィストがいて、ワインの状態を熟知し、ソムリエとともに、飲み頃を判断する。さらに、そのカーヴには、「コレクション・タイユヴァン」という、生産者がタイユヴァンのために仕立てたワイン、というのもある。タイユヴァンは尊敬され、ワインを造る人にとっても、タイユヴァンに採用される、というのは特別な意味をもっている。
そんなワインの裁定者、タイユヴァンのワインが日本で買えるようになった。これまでパリとベイルートにあったタイユヴァンによるワイン店「レ・カーヴ・ド・タイユヴァン」の東京店が、このほど、新館がオープンしたことでも話題の日本橋高島屋の、本館のほうの8階にオープンしたのだ。運営するのはエノテカ。
パリの本店では、フランス産を中心に約2,000種類の品揃えがあるけれど、東京ではここから、ロワールを中心としたフランスワインを約220種類、そのほかもくわえて、約700種類の、タイユヴァンお墨付きのワインが揃う。
また、「コレクション・タイユヴァン」もまずは20銘柄の取り扱いでスタートする。
東京店ならではのサービスも
レ・カーヴ・ド・タイユヴァン 東京には、レ・カーヴ・ド・タイユヴァンとしてははじめての、カフェー&バーが存在する。つまりここでは、ワインを買う以外にも、軽食とグラスワインでひといき、というような楽しみ方もできるのだ。
それで、ほっとしているとついつい忘れてしまいそうだけれど、ここはタイユヴァン。
レストランの食事とワインとの調和、日本でいうところのペアリングのような概念を、フランス語ではL’accord mets et vinsというけれど、これは当然、ワインに強いレストランである「タイユヴァン」のコンセプトでもあって、レ・カーヴ・ド・タイユヴァン 東京では、軽食のメニューでもって、その片鱗を知ることができるのだ。公式には、「ワインに合う食事がひと目でわかり、食とワインの調和がもたらす感動や楽しさ、奥深さを実感していただける工夫を凝らしたメニューを提供します」としている。
それを楽しむために用意された、16席のテーブル席の後ろには、著名人がタイユヴァンでオーダーしたワインのボトルが飾られている。例えば、画家のサルヴァドール・ダリは、レ・カーヴ・ド・タイユヴァン 東京に飾られている、シャトー・コス・デストゥルネルのボトルのなかにはいっていたワインを、パリのタイユヴァンで飲んだのだ。
タイユヴァンでワインを飲むって、歴史的なことだ。