カレーも中華もサラダもできる
この4月、北千住にアイスランドラムばっかり食べさせてくれる飲食店、OZがオープンしました。 前菜からメイン、シメのカレーまで、アイスランドラムづくしです。
アイスランドラム、というと、欧州の肉業界のひとは、「あっという間に育つんだよね」、といいます。冷涼かつ広大なアイスランドで、放し飼いで、花や草の新芽ばかりを食べて育つアイスランドの羊は、栄養状態が非常によく、他国においては人があつらえた飼料で12カ月程度かけて育つ大きさに、わずか4-5カ月でなってしまうのです。
品種は874年に欧州からアイスランドに持ち込まれた羊。食用として品種改良をかさねた一般的な羊とはちがう、オリジナル羊です。この歴史的な羊を保護するべく、除草剤、殺虫剤、遺伝子組み換え飼料は使用禁止。抗生物質も、羊を守るためにはそれ以外に手がない、という場合にしかつかいません。ゆえに、世界でもっとも安全な肉のひとつとされています。詳しくは、現地取材レポートを御覧ください。
味は軽やかです。これは、幼いうちに食肉にしてしまうから、というのも理由かもしれません。いわゆる羊臭さではなく、ハーブのような香りがします。
冷涼な気候と軽くさわやかな味わい、サステイナブルな農法に土着品種。ワインであれば、まさに、いま、愛されているキーワードが揃っています。
そして、そのアイスランドラムのポテンシャルを引き出す、アイスランド伝統の調理法が低温調理。低い温度でじっくり加熱することで、肉に旨みをとじこめます。強い火を入れれば、力強く華やかに、弱く火を入れれば、エレガントかつ芳醇に。火入れで表情を変えるアイスランドラムを堪能できるのも、OZの面白さ。この火入れ加減は、アイスランドでやるのと日本でやるのとでは、また、勝手がちがうのか、筆者は、アイスランドでアイスランドラムを食べてきたのですが、日本では、アイスランド人のシェフが調理しても、「現地で食べた、あの感動」には再会できずにいました。OZで食べてはじめて、「そう、これこれ!」
一村氏の探求に基づく、OZの料理の一部を以下に紹介したい。ちなみにこのお店は、日本におけるアイスランドラムの普及を目的としているので、買い方、使い方など、気になることはじゃんじゃん質問しよう。