出張で博多に行ったとき、現地の知人が連れて行ってくれた店だ。
彼が言うにはいつも混んでるので、行く前に電話で席が空いてるかをを確認すると言う。
「これから2人で行きたいんだけど、席空いてる? そう、それじゃ鶏皮を30本焼いといて」
とその場で電話。さすが、段取り上手に定評のある彼のこと。抜かりがない。
。。。ん? ちょっと待てよ。鶏皮を30本? 2人で?
え、そりゃムリだろ、いくらなんでも。。。。
びっくりして、知人にそう突っ込むと、
彼は笑って、「大丈夫、絶対追加することになるから」と言う。
そんなばかな。
皮は好きだけど、脂っこいし、あきるし、いくらなんでも、1人15本はあり得ない。
と思っていたのだが、結果は、彼の言ったとおり、私たちは鶏皮を追加した。
見た目も、味わいも、東京で食べる鶏皮とは全然違うものだった。少しも脂っこくない。
少し、ぼんじりに似ている。しかしぼんじりほど脂っぽくない。これが皮? という印象。
大将に話を聞くと、なんでも6日間、繰り返し繰り返し焼いて、
徐々に脂を落としていって仕上げるのだそうだ。
だからさっぱりと食べられるのだ。実に手間のかかった鶏皮だ。ありがたい。
うまいものは、やっぱり手のかけ方が違う。
30本なくなるのは、あっという間だった。
奥のテーブルでは、若者のグループが100本単位で注文していた。
その後は、博多で夜、時間があるときは、1人でこの店に出かけることも多い。
この年になって、食べ物でカルチャーショックを味わうとは思わなかった。
博多に行ったら、ラーメンだけでなく皮焼きもぜひ食べてみてほしい。