旨味、辛味のアラビアータとヴァルポリチェッラ
田中 『RECARO ペンネリガーテ』は少し長めにして、見た目と食感に注力しました。『REGARO 濃辛アラビアータ』はフィレンツェのニンニクを効かせたトマトソース「カレティエッラ」をヒントに、ニンニクの旨味と辛味が特徴です。
本多 サンマルツァーノを使ったシンプルなトマトソースで、辛味やニンニクよりも、甘味や旨味を感じました。この甘味や旨味のトーンが一緒なので『パスクア ヴィッラ・ボルゲッティ ヴァルポリチェッラ クラシコ 赤 2018年』が合います。
川下 トマトソースのコクと旨味から、ヴァルポリチェッラ クラシコとヴァルポリチェッラ・リパッソ スーペリオーレが合うと思います。
坂田 このソースは熟成したトウガラシ味噌のような深い味わいで、奥行のある辛さです。スケールが大きいワインが合うと思うので、私もヴァルポリチェッラ・リパッソ スーペリオーレがいいと思いました。
本多 どちらも甲乙つけ難いのですが、ここはお初のヴァルポリチェッラクラシコをベスト・マリアージュにしましょう。
パスクア ヴィッラ・ボルゲッティ ヴァルポリチェッラ クラシコ 赤 2018年
原産国:イタリア
格付:DOC ヴァルポリチェッラ・クラシコ
ブドウ品種:コルヴィーナ・ヴェロネーゼ70%、ロンディネッラ20%、コルヴィノーネ10%
生産者:パスクア
希望小売価格:1710円
スグリやチェリーの香りと共にスパイスやヴァニラの風味も感じられる。5~6カ月間軽く樽熟させ、タンニンとのバランスに優れた上品な味わいのミディアムボディ。
気軽なモンテプルチアーノ・ダブルッツォが本領発揮
坂田 実際のところ、家でアラビアータなどパスタを食べる時にペアリングをきちんと考えるのかというと、なかなか現実ではむずかしいのではないかと思います。すると受け入れの幅が広いワインを常備しておくのも手です。そこで先にもシャルドネを紹介しましたが同じシリーズの『PIZZA&PASTA モンテプルチアーノ・ダブルッツォ 赤 2019年』が本領を発揮し、旨味や辛味に寄り添ってくれます。
本多 このモンテプルチアーノ・ダブルッツォは果実味があって、手軽さがいいですね。シーン別で飲み分けるのもいいと思います。ディナーでアラビアータを食べるのなら、ヴァルポリチェッラ クラシコを。ランチにサラダとアラビアータなら、果実味があり、タンニンが強くない、気軽に楽しめるモンテプルチアーノ・ダブルッツォと一緒に楽しむと。
坂田 PIZZA&PASTAの白と赤を常備して、一皿に白赤両方試してみると新たな発見があり、ペアリングが楽しくなると思います。スクリューキャップで保存も楽ですし。
PIZZA&PASTA モンテプルチアーノ・ダブルッツォ 赤 2019年
原産国:イタリア
格付:DOCモンテプルチアーノ・ダブルッツォブドウ品種:モンテプルチアーノ100%
生産者:パスクア
希望販売価格:910円
ラベルもインパクトのある、わかりやすさでカジュアルさを訴求。モンテプルチアーノのソフトで丸みのあるタンニン、豊かな果実味が飲みやすい味わいとなっている。
坂田 今回ワインもパスタもコストパフォーマンスの良さとクオリティの高さに圧倒されました。ペアリングの発想は自由に、気軽なものから試してください。
川下 味わい、素材、ワインの視点を改めて学べる試飲でした。お店での参考にしたいです。
本多 家で楽しむなら料理を超えない、マルチなタイプのワインを選ぶといいでしょう。
今回の企画では、食トレンド発信メディア「おうちごはん」にもパスタソースで簡単アレンジ!ワインに合うおつまみレシピを3つ、考案してもらっています。
パスタソースがソテーに、ポテサラに、ラザニア風グラタンに、と華麗に変身。ちょっとひと手間でさらに広がるマリアージュ、お試しください。
https://ouchi-gohan.jp/2856/