探求5 ヒレ
――次はヒレです。この中で一番脂肪の少ない部位ですね。これは塩がおすすめになってます。
(ジュ~ッ)
山下 でもヒレにしては脂ありますね。
永松 和牛ですからね。
波田 いいとこの坊ややから。上げ膳、据え膳(笑)。
山下 私は赤身のほうが好きだけど、海外のお客様は喜びますよね。
永松 食べたらびっくりするよね。
山下 コウベビーフ、コウベビーフって、もう。
斎藤 ところでヒレにはやっぱりピノ・ノワール?
山下 そういうイメージありますよね。
斎藤 (もぐもぐ)うん? やっぱり違うね、テクスチャーが。赤身に近い歯触り、噛み応え。
山下 (もぐもぐ)あっ、お肉感がすごい。
――そろそろヒレの結論出しましょうか。
波田 間違いじゃない。ピノ・ノワールとサンジョヴェーゼは、太郎ちゃんの言うとおり、可もなく不可もなく。予想の範疇。
――緻密な味わいのヒレには緻密な構成の赤ワインということは言えそうです。(後編につづく)