自動車メーカーと時計メーカーのコラボレーションは珍しいものではないけれど、この提携はなかなか興味深い。なにしろアストン・マーティンのデザイン・チームとリシャール・ミルの時計師たちがまったく独自のコレクションを共同開発するというのだ。以下、プレスリリースの抜粋。
リシャール・ミルの熟練した開発者と時計師グループはこのパートナー湿布により、チーフ・クリエティブ・ディレクターのマレク・ライヒマン率いるチームと、アストン・マーティンを象徴するスカラベの羽をあしらった独自の大胆なニューコレクションを共同開発します。パートナーシップの要は両ブランドの主要特性である、イノベーション、デザイン、テクノロジーによる独自の個性とスタイルの追求です
アストン・マーティンのウィング・マークは「スカラベの羽」であったのですね。コガネムシの仲間、スカラベは古代エジプトの太陽神の象徴である。現代の自動車デザイナーのスターのひとりであるマレク・ライヒマンは、ローバーを経てBMWに入った才能あふれるイギリス人。ローバー75、3代目レインジ・ローバー、ロールズ・ロイス・ファンタムを手がけたとされる。
2005年にフォードからアストン・マーティン移籍し、以来同社のデザイン部門を率いている。限定77台のONE-77や、4ドアのラピード、現行生産モデルのヴァンクイッシュなど、どれも彼の作品ということになる。「デザインの黄金比は3:1」と、2010年にONE-77のお披露目で来日した時に語っていた。
ライヒマンのモダン・ブリティッシュ・デザインと、リシャール・ミルの超ハイテクのコラボレーションがどんな時計を生み出すのか?
「両ブランドに共通しているのは、ラグジュアリー製品を象徴するデザインに最先端エンジニアリングとユニークな素材を組み合わせていることです。新しい時計コレクションにもこのコンセプトが踏襲されています」
プレスリリースはそうヒントを与えている。
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リシャール・ミルCEOと、アストン・マーティン・ヴァルカン。限定24台のサーキット専用車。230万ドル(2億3000万円円以上)もする。
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ル・マン24時間とニュルブルクリンク24時間に出場するアストンを後援する。フロント・バンパーの文字に注目。