妖気を吐いて楼台の幻を生む謎の生物とは?

「蜃気楼のすべて!」 日本蜃気楼協議会・著

「蜃気楼(しんきろう)」という言葉の語源をご存じだろうか?。

この言葉が最初に書物に登場するのは、司馬遷の「史記」。蜃気楼の「蜃」とは、生き物の名前なのだそうだ。竜の一種とも言われていたらしい。その謎の生き物が妖気を吐いて、楼閣・楼台のような高い建物の幻を生じさせる、というのが「蜃気楼」のもともとの意味なのだという。
江戸時代の日本では、謎の生物「蜃」はハマグリだとされていた。ハマグリが妖気を吐いて楼台を生じさせる図が、吉兆を示すおめでたいものとして絵に描かれ、皿やかんざしなどにもその図案が使われていたそうだ。

現代では蜃気楼は、空気の温度差による光の屈折で起こる現象だとわかっている。しかし、実はまだ、わからないこと、未発見な真実もたくさんある。
たとえば、最近になって、これまで蜃気楼が発生することが知られていなかったところでも観測例が次々と報告されている。富山湾や北海道だけではなく、琵琶湖や猪苗代湖、大阪湾など、日本各地で蜃気楼が観測されている。

この本は、そんな蜃気楼の不思議な魅力が、さまざまな視点から語られている。なぜ見えるのか、どこに行けば見えるのか、どんな天気のときに見えるのかと言った観察のガイド、歴史や美術・骨董の中の蜃気楼、興味深い情報が満載だ。蜃気楼の神秘的な写真もたくさん掲載されていて、ビジュアルも楽しめる。

ワインを飲みながら、知っているようで知らなかった蜃気楼の正体を、今宵じっくり暴いてみませんか?

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