瀬戸内はゆたかだ
山は海に臨み、光は清かで、景色はひろびろとひらける。細い線で描かれたかのような建造物と、イタリア製のスーツのような身軽さ。せとうちを言い表すべき言葉は、重厚、濃密よりもまず、軽快だろう。
せとうちを愛するひとびとが、ときに南仏やイタリア、地中海を引き合いにだすのは、せとうちをおとずれれば得心がゆく。
たんに環境がすぐれているだけではない。あるいはそのすぐれた環境が敏感なひとびとのこころをとらえるのか。せとうちは、文化をひきつけ、せとうち文化圏とでもいうべきものが、以前からもあったのかもしれないし、いまもまた、形成されつつあるように感じられる。
10月17日(火)から就航する豪華客船「guntû(ガンツウ)」のツアーならば、その、せとうち文化圏の、贅沢に出会える。
guntû(ガンツウ)というのは船の名前だけれど、ガンツウというと鞆の浦や尾道では、イシガニというカニを指す。瀬戸内海に広く生息するガンツウは、調理してよし、出汁にしてよし。船名には、そのガンツウのように味わい深く、永く愛され、そして、せとうちの滋味を結び、受け継いでいくように、と、そんな願いが込められているそうだ。
ベラビスタマリーナから発着
そのguntû(ガンツウ)、全長81.2メートル、全幅13.75メートルの巨体は「せとうちに浮かぶ小さな宿」。
尾道にあるベラビスタマリーナを発着して、中国四国の瀬戸内海沿岸の景勝地を錨泊しながら周遊する、1泊2日から3泊4日の旅の宿となる。19室の客室は全室スイート。料金は、部屋のひろさによって1泊1室、40万円から100万円(2名利用時)。広島空港、あるいはJR福山駅からベラビスタマリーナへの送迎、テンダーボートを利用しての祭事への参加や無人島への上陸、釣りといった、人の営み、山、海とふれあえるアクティビティプランが用意される船外体験、そして船内での飲食は料金にあらかじめふくまれている。
食はもちろん、せとうちの食材をいつでも、こころゆくまでたのしめる。
メインのダイニングは、東京原宿の老舗割烹「重よし(しげよし)」の佐藤憲三氏が、寿司カウンターは兵庫県の「亙(のぶ)」の坂本亙生氏が、和菓子をたのしめるラウンジは奈良県の「樫舎(かしや)」の喜多誠一郎氏が監修している。
せとうちを表現するデザイン
客室、外観や内装などの設計は建築家の堀部安嗣(ほりべやすし)氏が担当した。
せとうちで目にする瓦屋根をおもわせる屋根と、海の色を映すシルバーのボディが外観上の特徴。内部はプライベートな空間もパブリックな空間も、せとうちならではの清々しい心地よさ、温かみのある解放感に満ちている。もちろん、エステやスパ、ジムといった、宿にあるべきものはきちんとそろっていて、船だから、という言い訳はない。
ツアーの予約は、東京「帝国ホテル」本館の「guntû Gallery(ガンツウギャラリー)」店頭、あるいは電話にて。
株式会社せとうちクルーズ(運航)|http://guntu.jp
株式会社せとうちクリエイティブ&トラベル(予約・販売)|https://s-creativetravel.co.jp/