「ジャスタビ」やってみました!

ドバイから来た一家4人のレンタカーの運転手の旅

グッド、グッドよ、日本のいちごは美味しいんだから、本当に。と売り場のおばさん。

30分食べ放題いちご狩り

1日ツアー最後の目的地は、30分食べ放題のいちご狩りです。谷川岳ドライブインを出て一般道を走り、水上ICから関越に上がって沼田ICでまた降りて、さっき前を通っていたのに気づかなかった原田農園に到着しました。そして、ようやく気づきました。Vさんから預かったクーポン券を谷川岳ドライブインに忘れて来たことを! たぶん、日刊スポーツの三面の広瀬すずの記事に夢中になって……。

私は原田農園の人に教えてもらって2階にある事務所に行き、クーポン券を忘れて来たことを告白しました。後日、郵送で送ることになりました。大失態です。ちょっと落ち着いて、谷川岳ドライブインに本当に忘れてきたのかどうか、確認すべきだと思い立って電話しました。「先ほどインバウンドのかた4名さまをお連れしたドライバーなんですけど……」とおずおずと申し上げると、「あー、クーポン券でしょ。ごめんなさいね、さっきは気がつかなかったので……」とドライブインのかたがいわれたので、「とんでもないです、こちらこそ、すいません。あってよかったです」と答えました。そして、電話のかたはこう続けたのです。

「次の原田農園さんにファックスしておきました」

なんてすばらしいんだぁ。「ありがとうございます!」と感謝・感謝・感謝です。ニッポン人はエライ! と思いました。携帯を切って、原田農園の事務所に戻ると、「ファックスがいま、来ました」と、不思議なことが起こったような感じでおっしゃったのでした。

原田農園の駐車場にて。手前がトヨタの2代目ノア。走行距離9万㎞台ですけど、しっかりしておりました。

16時に原田農園を出て、一路、新宿西口コクーンタワーを目指しました。関越は空いていたのですが、出口から先で渋滞が始まり、外環から5号線にいたるわずかな距離が完全に詰まっていました。予定の18時20分どころか、カーナビの到着予想時刻は19時30分を指しています。Vさんは美女木のちょっと手前で、「一番近い駅で降ろして」と希望されました。カーナビの画面で見て、JR戸田駅まで送りました。

道中聞いたところによると、Vさん一家は千葉県の柏に滞在しているということでした。柏のどこかはわかりませんが、東京だとホテル代が高いから、毎日都心まで電車で通っているというのです。日本語の通訳がいないので、マクドナルドと吉野家にはよく行っているそうです。前の週の木曜に来日して、この日は火曜日でしたけれど、翌水曜日は東京ディズニーシーに行く。金曜日にドバイに帰国するけれど、来年か再来年、絶対帰ってきて、京都・大阪に行きたい、といっておられました。

Vさん自身は18年前だかにフィリピンからドバイに働きに出たのだそうです。ドバイにもともと住んでいるアラブ人と違って、おそらく大富豪ではありません。でも、大富豪でもない、フツーの人たちが日本に遊びに来てくれているという事実(推測ですけど)に私は軽い感動を覚えたのでした。ドバイには高層ビルと砂漠しかないけれど、ニッポンには山があって雪があって、なんでもある。「アイ・ライク・スノー」とママは控えめにいいました。そう、「美しい国」なんですよ、ニッポンは。取り戻すのではなくて、失うことを恐れるべきではないでしょうか、原発とか戦争とかで。

戸田駅でお別れするとき、Vさんと固く握手しました。楽しんでもらえたみたいでした。言葉もわからないニッポンで、積極的に電車で移動しているのだからアドベンチャー・ファミリーです。

一家を降ろしたあと、首都高速5号線に高島平から乗って新横浜までレンタカーの返却に向かいました。結局、レンタカーの借り出しを含めると、560㎞走りました。5号線は都心環状線までは空いていたのですが、そこから先は渋滞で、空腹をおぼえました。谷川岳ドライブインで出発間際に、そこで製造直売しているお菓子「谷川の月」を1個、お店の人からもらっていました。ほおばると、カスタード・クリーム入りでプリンみたいでした。控えめな甘さを味わいながら、なんだか今日はとてもいいことをしたような心持ちになったのでした。

 
 
 

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今尾直樹
ワインが初めてうまいと思ったのは、1990年代の初め、某フランスの自動車メーカーの国際試乗会でした。パリからTGVに乗ってディジョンまで。駅からドライブ開始で、途中、休憩ポイントに醸造所が設定してあって、そこに寄るたびに試飲するのです。ブルゴーニュ、ピノ・ノワールという単語を知りました。最高にハッピーな試乗会でした。昔はヨカッタ。

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